2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of GLP-1 and/or volatile anesthetics against ischemia-reperfusion injury under hyperglycemia
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15K10513
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
酒井 陽子 徳島大学, 病院, 特任准教授 (90711862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克哉 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (30263841)
堤 保夫 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (90523499)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | GLP-1 / 心筋保護作用 / プレコンディショニング / 吸入麻酔薬 / 高血糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
Glucagon-Like Peptide (GLP-1) は小腸のL細胞から分泌されるペプチドでブドウ糖濃度依存性にインスリンの分泌を亢進させる働きがあり、新しい糖尿病治療薬として注目を浴びている。近年の研究によるとGLP-1受容体は心筋細胞にも分布していることが報告された。しかし、吸入麻酔薬による心筋保護作用 (APC) がGLP-1受容体を介する経路によって相互作用を持つかどうかは明らかではない。また、近年、APCおよびGLP-1による心筋保護作用が、肥満や血糖値によって影響されることもわかってきた。これらのことから、APCやGLP-1は高血糖などの体内状態により動態・作用の変化が起こる可能性が示唆される。そこで、本年度は高血糖マウスモデルにおいてこれらの心筋保護作用がどのように影響を受けるかについて調査した。 グルコースを静注することで高血糖マウスモデルを作成し、各群に対してin vivo マウス虚血再灌流実験を行い、心筋梗塞サイズを比較検討した。マウスを人工呼吸下に開胸、血行動態を測定しながら、GLP-1 (30 ng/kg iv)・APC (1.0 MAC) 刺激を行う。その後、心臓冠動脈を30分間閉塞し、2時間の再潅流を行う。再び冠動脈を閉塞、Evans Blueを注入し心臓を取り出す。心臓をスライスし、再染色後心筋梗塞サイズを測定する。これらを行った結果GLP-1やAPCの心筋保護作用が高血糖マウスにおいては棄却されることが明らかとなった。 次に、高血糖マウスモデルに対し、インスリンを用いることで血糖値を下げた後、同様に実験を行うと、新保護作用が再び現れた。これらのことより、GLP-1やAPCの心筋保護作用は血糖に影響を受けることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)