2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of HbV during Apnea situation
Project/Area Number |
15K10521
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
内藤 祐介 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (00623498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (50295789)
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
酒井 宏水 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70318830)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人工赤血球 / 換気停止 / 低酸素血症 / ヘモグロビン小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘモグロビン小胞体(HbV)による低酸素血症改善効果の検討について本補助金を用いて実施してきた。 背景として全身麻酔導入時には生じる可能性のある換気困難、挿管困難(CVCI)という危機的状態時に人工赤血球製剤の一種であるHbVを酸素付加した状態で投与することにより酸素化改善が可能であれば、治療の一助になると考えた。 本仮説を実証するため、5年に渡り複数の実験を施行した。2015年度においては全身麻酔導入時の換気停止モデルが存在しなかったため、ラットにおけるモデルの確立を行い、換気停止までのプロトコールおよび、換気停止後の循環虚脱の定義の確立、循環停止までの平均時間と標準偏差をラット10匹を用いて行った。 2016-2017年度では、上記結果を用いて本実験を実施した。すなわち24匹のラットを4群(Air, Oxy, NS, HbV)に割り付けて実験を行った。Air群, Oxy群においては無換気時に薬剤の投与を行わなかったのに対し、NS, HbV群では生理食塩水、HbVをそれぞれ6mL投与した。結果として、何も投与しない群に比較してNS, HbV群は循環虚脱までの時間が有意に上昇した。さらにNSおよびHbV群の間でも有意な差を持ってHbV群で時間の延長が確認できた。 2018年度は、HbVの投与量の調整によりさらなる循環虚脱までの時間が延長するか否かについて実験を実施した。HbVを3mL, 6mL, 9mL, 12mL投与する群をそれぞれラット3匹で予備実験的に予定した。しかし、結果は6mLと9mLで同程度の延長しか見込めず、HbVによる酸素化維持が容量負荷による心収縮力低下に相殺されることが示唆されたため、予備実験を持って同検討は終了した。最終年度はHbV投与により蘇生されたラットの行動実験を実施し、長期予後に与える影響について海馬組織標本およびモリス水迷路試験を用いて検討を行った。
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Research Products
(1 results)