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2015 Fiscal Year Research-status Report

術後認知障害におけるオランザピンの効果

Research Project

Project/Area Number 15K10531
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

福田 妙子  筑波大学, 医学医療系, 教授 (40228911)

Project Period (FY) 2015-10-21 – 2020-03-31
Keywords術後認知障害
Outline of Annual Research Achievements

本研究の術後疼痛モデルの条件は、疼痛自体は数日で収まるが認知能力の障害は1~2週間程度持続し、かつ手術部位が認知能力試験に影響を及ぼさないことであった。そこで、以下の3段階で研究を進めた。
①ビデオトラッキングシステムの確立:ラットの行動観察と客観的な認知能力測定のために必要なビデオトラッキングシステムを準備し確立するために約2ヶ月を要した。現在、モーリスの水迷路に関してはほぼ完全に測定可能な状態になった。一方、一般行動と不安行動に関してはさらにソフトの再設定と操作の習熟が必要な状態である。
②認知能力の測定:当初Y迷路および8方向放射状迷路試験を行う予定であったが、食欲や不安などに影響されない認知能力測定方法として、モーリスの水迷路に変更した。若年ラットでも認知能力に変化が現れる訓練パターンあるいは訓練量を探る必要が生じたので、現在その方法を検討確認中である。
③手術モデルの作成:ラットの手術準備と試行に4ヶ月を費やし、現在も試行途中である。当初腎摘出モデルか子宮を操作する手術モデルを予定していたが、若年ラットでは認知能力に障害がでにくい為、よりサイトカインの産生量が多くなり海馬への障害がでると予想される開腹で腸管操作を含む術式に変更しその効果を検討中である。なお開腹手術を行っても丁寧に閉腹操作を行えば認知能力測定に選択した水迷路試験には影響しないことは確認できている。
全体として、短時間で効率的に研究を進めなければならない為、平成27年度に計画していたことの一部を平成28年度にまわし、逆に平成28年度に計画していた内容の一部を平成27年度に先行しておこなう結果となったが、概ね目的達成に向けて着実に進行していると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

①平成27年11月に本研究の交付が繰り上げで決定したため、研究開始が約6ヶ月遅くなった。
②予算内で8方向放射状迷路とホールボードは準備できなかったので、モーリス水迷路とオープンフィールドを使用することに変更した。この変更に伴い、水迷路の適切な訓練方法を確立する必要が生じ、その訓練方法の確認に時間を要している。また、汎用性のあるビデオトラッキングシステムを購入する必要が生じたが、観察内容に合わせてソフトを調節する必要があり、その設定と操作の習熟に若干の時間がかかることとなった。
③若年ラットで安定して認知障害の出現する手術モデルを作成することが予想以上に困難であった為、当初計画していた手術方法では理想とするモデルが確立できないことが判明した。そこで、改めて術式の設定にとりかかったため時間を要することとなった。

Strategy for Future Research Activity

全体として6ヶ月の遅れを取り戻す為、以下の3点を中心に推進していく予定である。
①研究実績の概要でも既に述べたが、平成27年度と平成28年度の研究計画を、できるだけ効率的に行い研究過程を短縮するための工夫をする。具体的には、記憶と認知能力の測定を先行して行い、認知能力に障害のでるモデル作成を確立してから、行動観察を行う順番に変更する。
②単独の手術のみでは、若年ラットに認知障害を起こさせるような手術モデル作成が難しい場合には、若干のストレス負荷を検討する。具体的には、開腹手術前に12~24時間程度の絶食期間を設けて軽度の低血糖状態を維持する。また、リポポリサッカライドを使用して、炎症性サイトカインの産生をより多く誘導するよう工夫する。
③行動観察の項目を、移動距離・平均移動速度による自発運動の測定、オープンフィールド試験による不安関連行動の観察、ショ糖嗜好反応による鬱状態の観察、Glimace Scaleによる疼痛評価とモーリスの水迷路による認知能力測定に絞ることとする。

Causes of Carryover

本研究の交付決定が平成27年11月であったため、研究期間が短く本来実験動物にかかるはずの費用等に少し余りが生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度に、実験回数あるいは実験動物数を増やすなどして使用する予定である。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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