Inter-operative hemodialysis for the prevention of contrast induced nephropathy in endo vascular graft surgery.

2018 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K10536
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 柴田 晶カール 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70432490)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 井口 直也 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00372623)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 造影剤腎症 / 腹部大動脈瘤 / ステント内挿術

Outline of Annual Research Achievements

腎機能低下患者へのヨード造影剤の投与は造影剤腎症の発症リスクを伴う。本研究では、腎機能低下患者の血管内治療後の造影剤腎症の発症機序の解明および予防法の確立が目的である。腹部大動脈瘤患者のステント内挿術において尿中neutrophil gelatinase-associated lipocalin (NGAL)と尿中肝臓型脂肪酸結合タンパク（L-FABP）を測定することで腎機能障害の定量的測定から腎障障害の程度を測定した。造影剤投与量と関連してNGAL，L-FABPの増加を認め、造影剤腎症発症と造影剤量の容量依存性を確認した。ヨード造影投与中の血液濾過透析による造影剤除去が造影剤腎症の予防に効果的であることを検証するため比較試験を計画した。計画では対象患者の術前血清クレアチン（1.6mg/ｄL以上）に基準を設け、中等度から高度の腎機能低下患者を対象にすることとしている。しかしながら腎機能低下患者の手術件数は非常に少なく症例数確保の困難であった。またアンギオグラフィ撮影装置の時間空間分解能の改良、造影剤の希釈や術前CT画像から血管3次元構築を利用した術中解析等により造影剤投与量を大幅に減少させることが可能となり腎機能低下患者においても血管内治療における造影剤腎症の予防が広く行われるようになった。その結果、造影剤腎症の発症は比較的希となり血液透析による造影剤除去は現実的な造影剤腎症の発症予防法ではないことが示唆された。