2018 Fiscal Year Research-status Report
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15K10543
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 正章 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70382918)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HMGB1 / 肝臓手術 / 周術期 / バイオマーカ / 酸化ストレス / 炎症 / 麻酔 / ガン |
Outline of Annual Research Achievements |
1)消化器外科肝腫瘍切除術61例、移植外科肝移植術ドナー30例とレシピエント30例をエントリーすることができた。その検体を用いて研究を施行した。検体は地域医療学の主任教授である小谷氏の研究チームに依頼して、検体の解析を行なった。データの統計学的な解析は小谷氏に依頼し様々な統計学的な処理を行った。その結果、消化器外科 肝ガン切除術46例、移植外科肝移植術ドナー24例とレシピエント28例を解析対象とした。 消化器外科肝ガン切除術46例を解析した。その結果、血清HMGB1は周術期の全経過において有意な変化(p<0.01)が起こることを確認した。血清HMGB1は周術期の全経過における変化については、アルブミン、白血球、CRPといった古典的な炎症マーカと比較して原論文を作成した。英文校正を行い、ヨーロッパ肝臓病学会に投稿したが、手術に関するデーターということで他雑誌への投稿を推薦された。現在外科ガン雑誌に投稿し、昨日査読終了した。現在結果を待っている状況である。もし不受理の場合は今後も他雑誌に受理されるように誠心誠意努力する。 肝移植患者のドナー症例とレシピエント症例の検体の測定はでた。が、ドナーのある結果について疑義が生じたため再測定を行なった。その結果、測定項目の変動は正しいことが判明した。またレシピエントの結果のばらつきについてはある程度予想していたがとても大きいことがわかった。比較対象を整理することで論文かを目指したいと考えている。 2)ドナーの解析から、男女における炎症反応の違い見出した。これらの点について演題名「Does gender difference affect inflammatory reaction in patients with hepatectomy?」として昨年6月のEuroanaesthesia2018(デンマーク、コペンハーゲン)において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1)肝臓ガン手術についてのIMAとHMGB1の研究結果を報告するために準備をしていたが、共著者の強い意向でHMGB1のみの結果としてまとめることになった。そのため論文内容の変更が必要になり、投稿が大幅に遅れてしまった。現在、Surgical Oncologyに投稿し、査読中となっている。今後も受理されるよう努力する。IMAとHMGB1の研究結果については来年度の麻酔科学会総会でも発表を行う予定である。 2)肝移植ドナーの結果について、データを確認したところ、検体の取り違えの可能性が見出されたため、再検査を行った。そのために大幅な遅れが生じた。論理的解釈が可能な点について学術雑誌に投稿する予定である。 3)肝移植のレシピエントについて、状態によって大きなばらつきが存在することを確認した。原疾患によってバイオマーカの推移に変化が何のか検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)肝臓ガン手術:HMGB1の研究結果は査読中であり、受理されるように努力する。 IMAとHMGB1の研究結果:来年度の麻酔科学会総会でも発表予定である。 2)肝移植ドナーの結果:酸化ストレスについて学術雑誌に投稿を検討する。 3)肝移植のレシピエントの結果:原疾患毎のバイオマーカの推移について投稿を検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、データの解析は終了しているので、検体の保存と論文投稿のための英文校正費が必要であった。 次年度の使用計画については、肝ガンについては現在論文投稿中である。 本研究は肝臓ガン、肝移植ドナー、肝移植レシピエントを対象とした研究であり、その視点は様々である。肝移植ドナーおよびレシピエントのデータは貴重と考える。ぜひ論文化したいと考えている。ドナーの基準値が様々であったことをを今後どう考えていくか、レピエントの状況またはその病態においてどう解釈するか、論文化に向けているところである。
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Research Products
(1 results)