2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K10544
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
森山 潔 杏林大学, 医学部, 准教授 (10296717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萬 知子 杏林大学, 医学部, 教授 (40210801)
本保 晃 杏林大学, 医学部, 助教 (10625578)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高機能患者シミュレータ / 経鼻高流量酸素療法 / 死腔の洗い流し / 呼吸負荷軽減作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
<背景>本研究では当院での経鼻高流量酸素療法(HFNC)の呼吸不全終末期における使用実態を調査した。 <方法>急性呼吸不全終末期患者は「急性期にHFNCによる積極的な治療を行ったが、最終的に呼吸不全で亡くなった患者」と定義した。2013年1月~2015年5月の診療録より、肺炎、間質性肺炎急性増悪の診断で入院した患者を抽出し、死亡した症例の酸素療法の施行期間などに加え、食事摂取状況、治療過程での蘇生不要(DNAR)及び挿管不要(DNI)同意取得の有無につき、調査した。 <結果>対象となったのは24例(市中肺炎13例、間質性肺炎の急性増悪11例)で、年齢は76.3±8.8歳、APACHEⅡスコアは31.8[28-33]。DNAR同意取得は18 例、DNI同意取得は1例、同意なしは5例。HFNC施行日数は17.0±12.5日で、死亡時の呼吸管理は、肺炎群死亡13例中HFNC5例、気管挿管2例、非侵襲的陽圧換気1例、間質性肺炎急性増悪群死亡11例中HFNC8例、非侵襲的陽圧換気1例であった。また、死亡時にHFNCを使用していた患者で死亡直前まで経口摂取を行っていた患者は肺炎群2例、間質性肺炎急性増悪群5例であった。 <考察>急性呼吸不全終末期にHFNC導入した患者では80%で経過中にDNAR、DNI同意が得られており、HFNCが事実上最終酸素療法に位置付けられていた。またHFNCの使用期間も、これまでの急性期の患者対象の報告ではHFNC使用期間は約3日間であり、当院では、比較的長い期間使用されていた。重症呼吸器疾患で死亡率が高いと予測され、DNAR、DNIを取得した患者であっても、数日~数10日の間延命ができており、その間の酸素療法としてHFNCが選択され、死亡までHFNCで継続していた患者が多かったことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたシミュレーターを用いたデータに、1昨年及び昨年まとめた臨床データを加え、現在英文論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始時には健常ボランティアを用いた研究を考えていたが、臨床データを加えることで健常ボランティアのデータが必須ではなくなった。 シミュレーター研究に関し、Nが不足しているため、追加実験が必要となっている。
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Causes of Carryover |
計画は順調に進んで、シミュレーターと臨床データの結果をまとめ、学会発表も終えている。H30年度も継続して行うことで、シミュレーターのデータを追加実験で加え、英語論文を作成し、英文雑誌に投稿する予定である。
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