2017 Fiscal Year Annual Research Report
postoperative delirium and oxidative stess
Project/Area Number |
15K10546
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
竹山 和秀 東海大学, 医学部, 准教授 (80256148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 正信 東海大学, 医学部, 准教授 (90276791)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | せん妄 / 酸化ストレス / NMDA受容体 / Dアミノ酸酸化酵素 / Dセリン |
Outline of Annual Research Achievements |
譫妄は急性発症、揺らぐ経過、不注意、支離滅裂な思考と意識レベルの変容で特徴づけられ、周術期に患者の約 40% に起こるとの報告がある。手術を受けた患者のストレスに関係があると考えられているが、このメカニズムについては未だ明らかにされていない。最近の報告ではプロポフォール鎮静下の脊椎麻酔が、術後譫妄の発生頻度を低下させることが示された。アルツハイマー病患者にも譫妄が現れるが、このアルツハイマー病等の中枢神経障害の病態との関与が注目されているものに中枢の酸化ストレスがある。近年、せん妄の機序としてNMDA受容体の機能亢進によるneurotoxin分泌が考えられている。遊離型DセリンはNMDA受容体活性の調節因子として機能することが知られている。DセリンはDアミノ酸酸化酵素によって分解されケト酸と過酸化水素を発生する。本研究では酸化ストレスモデルとしてDアミノ酸酸化酵素欠損マウスを用いて解析した。(1) Dアミノ酸酸化酵素欠損マウスは野生型マウスに比べて有意に血中の酸化程度が低いこと、(2)酸化ストレスとして頭頸部への放射線照射(x線: 7Gy/fraction, 5日照射)した場合Dアミノ酸酸化酵素欠損マウスは野生型に比べて、組織障害ならびに唾液腺機能障害の程度が有意に低いこと、(3) Dアミノ酸酸化酵素欠損マウスは野生型マウスに比べてY字迷路のスコアが高いこと、などを明らかにした。本結果よりDアミノ酸酸化酵素欠損マウスは中枢(特に脳)での酸化ストレスモデルとして用いることが出来ることが期待された。
|
Research Products
(1 results)