2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of changes in EEG at sedation level and development of the monitor for sedation
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15K10557
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
萩平 哲 関西医科大学, 医学部, 教授 (90243229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高階 雅紀 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (30221352)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | sedation / electroencephalogram / spindle wave |
Outline of Annual Research Achievements |
覚醒時の脳波はどの導出でも後頭部のα律動を除き低振幅速波のβ波が主体だが,麻酔薬濃度を徐々に上昇させた場合一過性にベータ波のパワーが増大するβ activationと呼ばれる現象が生じ,その後睡眠紡錘波(spindle wave)と呼ばれるα周波数帯の波が優位となり,さらに深い麻酔レベルでは徐波であるθ波やδ波が優位となることが知られていた.今回,プロポフォール濃度を徐々に上昇させたり,徐々に低下させたりした時の脳波波形の変化やパワースペクトルの変化を観察したところ,β activationは覚醒時に優位なβ波のパワーが増大したのではなく,睡眠紡錘波が優位となってくる過程の途中を観測していたことが示された.睡眠紡錘波は通常8-12Hz程度のα周波数帯の波であるが,プロポフォールや揮発性麻酔薬による麻酔中は麻酔薬濃度の上昇と共にその主要周波数も低周波側にシフトすることが知られている.つまり睡眠紡錘波が認められ始める段階では主要周波数がβ周波数帯にあり,これがアルファ周波数帯にシフトして来ていると考えるが妥当であると言うことである.バイスペクトル解析で得られた脳波バイコヒーレンスのピーク周波数とプロポフォールの濃度に依存した変化を示したことからもこのことがサポートされた.麻酔や鎮静中の睡眠紡錘波は新害刺激などの各種刺激でその活動性が減弱もしくは消失するため,その評価には難しいところもあるが,適切な鎮痛の元に鎮静をうまくコントロールしてα周波数帯からβ 周波数帯に出現してくる睡眠紡錘波を評価できれば浅いレベルの鎮静を調節することが可能になる可能性が示唆された. 残念ながら当初計画していた独立成分分析を用いたアーチファクト除去の自動化および情報理論を用いた意識の有無の確認に関しては明らかとすることはできなかった.今後良いハードウェアを用いて今回構築したシステムの有用性を検討したい.
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