2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of prostate cancer heterogeneity induced by disease-associated reprogramming
Project/Area Number |
15K10583
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
有馬 公伸 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (10175995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 豪 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20644941) [Withdrawn]
白石 泰三 三重大学, 医学系研究科, 客員教授 (30162762)
石井 健一朗 三重大学, 医学系研究科, 助教 (90397513)
加藤 学 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60626117)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 前立腺 / 疾患関連リプログラミング / 線維芽細胞の多様性 / 前立腺癌患者由来線維芽細胞 / 前立腺幹・前駆細胞 / in vivo共移植実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ヒト前立腺幹・前駆細胞モデルBPH-1細胞とラット胎生期泌尿生殖洞間充織細胞rUGMとのin vivo共移植実験を施行した。移植から12週間目にホストマウスを去勢した後、7, 14, 28日目にマウスを屠殺した。また、マウスを去勢してから14日目に20 mg DHTペレットを皮下に埋設し、7日目にマウスを屠殺した。前立腺様の管腔構造を構築したBPH-1細胞における癌抑制遺伝子のmRNA発現量はLCMを用いて、正常腺管および管腔構造が崩壊したエリアを分取し、mRNA抽出後にTaqMan probeを用いたデジタルPCRを施行した。その結果、去勢後速やかに間質リモデリングが誘導されたものの、アンドロゲン付加後7日目には間質リモデリングの割合が有意に低下した。次に、BPH-1細胞により構築される前立腺様の管腔構造は去勢後速やかに崩壊し始め、その割合は経時的に増加した。なお、アンドロゲン付加後7日目でも管腔構造の崩壊は回復しなかった。前立腺様の管腔構造を構築したBPH-1細胞における癌抑制遺伝子のmRNA発現量であるが、正常腺管に比較して管腔構造が崩壊したエリアではTP16およびGSTP1 mRNA発現量が低値を示した。次に、体内アンドロゲン濃度との関係を検討したところ、正常腺管におけるTP16およびGSTP1 mRNA発現量は偽手術群よりも去勢群で低値を示した。一方、管腔構造が崩壊したエリアにおいてはGSTP1 mRNA発現量だけが去勢群で低値を示した。 以上の結果より、前立腺増殖性疾患で観察される間質リモデリングのような構造的変化が生じると、正常腺管を構築する上皮細胞に対して周囲の間質(線維芽細胞)が産生・分泌するパラクライン因子が、上皮細胞の増殖を刺激するだけでなく、上皮細胞の分化状態をも変化させてしまう可能性が示唆された。
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Research Products
(9 results)