2016 Fiscal Year Research-status Report
臨床検体データーによる肉腫様腎癌実験モデルの有用性の検討と新たな治療標的の模索
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15K10595
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
望月 保志 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40404256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 浩介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (40580345)
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / 肉腫様腎癌 / 治療標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの期間に、主たる研究課題である、肉腫様癌実験モデルの有用性の検討と新たな治療標的の検索をおこなった。ヒト肉腫様腎癌の臨床プロファイルについて考察し、他の腎細胞癌との臨床的事項の差異について比較検討し、分析を行った。次にヒト肉腫様腎癌において、他の腎癌細胞株と比較して、特徴的に発現している分子を検索した。さらに病理学的に類似している鉄ニトリロ三酢酸腹(Fe-NTA)誘導ラット腎癌において癌関連因子として特徴的に発現している分子を同定し、臨床的にヒト肉腫様腎癌細胞株に特徴的に発現している分子として、共通して高発現している可能性が高いと考えられる分子を同定した。次にFe-NTA誘導ラット腎癌から肉腫様腎癌の特徴を有する細胞株を樹立し、細胞株による実験系の確立を行うことを計画した。まず、その樹立した細胞株に対して分子生物学的検討を行い、肉腫様腎癌細胞株に特徴的に発現していると考えられる分子の検索を行った。さらにsh-RNAを用いた機能抑制実験やそのほかの分子生物学的手法を用いることにより、肉腫様腎癌細胞株の増殖や分化に関連する可能性があると考えられる関連分子を検索するととともに、同定された分子の機能解析を行った。今後は同定された関連分子について、臨床プロファイルと検討することにより、生命予後あるいは病勢進行との関連性について統計学的手法を用いて調査することにより、その候補分子が治療の標的分子となる可能性があるかどうかについて詳細な検討を加える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ、大きな問題はなく、臨床的な情報の収集および細胞株の樹立、細胞株を用いた分子生物学的手法の確立とその応用を計画しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は肉腫様腎癌の臨床プロファイルと樹立肉腫様腎癌細胞株における特有に発現する、あるいは機能する分子を同定し、さらにそれらの分子の発現による、癌の進展への関与について明らかにする予定である。さらに臨床プロファイルに中で生命予後あるいは病勢進行と関連する分子を検索し、候補分子が治療対象となる標的分子の可能性となるかどうかについて検討する予定である。
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Research Products
(1 results)