2015 Fiscal Year Research-status Report
MCL温熱治療による高リスク表在性および浸潤性膀胱がんに対する新たな治療法の開発
Project/Area Number |
15K10603
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
高田 英輝 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10747611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 憲康 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20254279)
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30381867)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264733)
内木 拓 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50551272)
小林 大地 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80570704)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MCL / Thermotherapy |
Outline of Annual Research Achievements |
浸潤性膀胱がんの標準的治療は尿路変更術を必要とし、患者のQOLを著しく低下させている。そのため新たな膀胱温存治療の開発は急務となっている。私たちはこれまでに、新たながん治療法の開発を目的に、磁性ナノ粒子(Magnetic cationic Liposome:MCL)を用いたがん病巣のみを特異的に加温できる新しい治療法を開発し(MCL Thermotherapy)、前立腺がんをはじめ様々ながんに対する治療効果と強い腫瘍免疫の誘導を報告してきた。一方、がん免疫治療もその分子機構が明らかにされ、膀胱がんにおける免疫治療の感受性の高さが明らかにされている。今回これまでの研究成果を踏まえて、MCL膀胱内注入療法とがん免疫治療の併用による、浸潤性膀胱がんに対する新たな膀胱温存治療法を開発することを目的とする。 私たちはこれまでに、MCL Thermotherapyを用いて様々な腫瘍を完全退縮させることに成功している。さらに最新の研究で、抗腫瘍免疫の強い誘導を見出した。本研究では、MCL膀胱内注入療法とがん免疫治療の併用治療の浸潤性膀胱がんに対する治療効果を検討する。in vitroの研究として、ヒト膀胱がん細胞株におけるMCLの吸着と免疫誘導サイトカインの検討を、in vivoの研究として、浸潤性膀胱がん動物モデルの作成し、MCL Thermotherapyの治療効果と免疫誘導サイトカインの検討を行う。そしてMCL Thermotherapy+がん免疫療法の併用による浸潤性膀胱がんに対する治療効果の検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.ヒト膀胱がん細胞株におけるMCLの吸着の検討について、当研究室にて保管しているヒト膀胱がん由来の4つの細胞株 (RT4, RT112, 5637, T24)におけるMCLの吸着および取り込みを走査型電子顕微鏡にて確認した。 2.高温度暴露によるヒト膀胱がん細胞株における免疫誘導サイトカインの検討について、がん細胞が死滅しない温度(43℃)に30分間暴露を繰り返し施行し、免疫誘導サイトカイン(IFN-γ,TGF-β,IL-4,IL-5,IL-6,IL-12,IL-13,IL-17)の発現量を計測した。 3.浸潤性膀胱がん動物モデルの作成について、0.05%のBHBNの自由飲水により浸潤性膀胱がんマウスを作成している。現在モデルマウス作成段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.MCLの膀胱内注入におけるMCLの吸着の検討 作成した浸潤性膀胱がん動物モデルにMCLを膀胱内注入し、MCLの吸着および取り込みを走査型電子顕微鏡にて確認する。 2.膀胱がん皮下腫瘍に対するMCL Thermotherapyの治療効果の検討 BALB/c Slc-nu/nuにT24:1×106 cells/100 μl (in PBS)を背中の左右に皮下移植し、モデルマウスを作成する。MCLの注入の有無により2群に分ける。(1)MCL注入群(2)MCL非注入群。片側のみをMCL Thermotherapyにて治療する。MCL Thermotherapyにより免疫が獲得されていれば、未治療の腫瘍は免疫賦活により退縮すると考えられる。MCLの濃度は33mg/ml、用量は100μl/回、2方向から腫瘍中心部に5μl/minの速度で注入する。両群共に交番磁場を照射、照射時間は30min/回、2日おきに施行する。腫瘍塊が消失するまで繰り返す。消失した場合MCL Thermotherapyは中止とし、局所再発を認めた場合、再開する。
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