2015 Fiscal Year Research-status Report
膀胱癌における血清蛋白質の網羅的解析と診断スクリーニング法の確立
Project/Area Number |
15K10607
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松本 和将 北里大学, 医学部, 講師 (70306603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩村 正嗣 北里大学, 医学部, 教授 (20176564)
佐藤 雄一 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30178793)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / 血清蛋白質 / 診断スクリーニング / 網羅的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.樹立済み抗体を用いた患者血清との反応性の検討: すでに膀胱癌細胞株や膀胱癌組織を免疫源に癌特異的抗体と患者血清との反応性に関しては、血清からアルブミンと免疫グロブリンはカラムを用いて除いた後、20倍希釈でPVDF膜に所有のマイクロドットアレイヤーを用いてドットした。その後、Blocking剤で処理したPVDF膜は、樹立した単クローン性抗体の培養上清(希釈なし)を用いて反応、TBS-Tで洗浄後、HRP標識二次抗体との反応を見た。TBS-Tで洗浄後、化学発光試薬との反応を行い、その発光をイメージアナライザーに記録し、このドットブロット用に最適化されたDot Blot Chip System ver.4ソフトウエア(ダイナコム)上で解析を行った。 新たに得られた抗体に対して一次を行い、二次スクリーニングへと移行。膀胱癌組織との反応性はホルマリン固定した膀胱癌細胞株(grade 1細胞株RT-4, grade 2細胞株5637, grade 3細胞株T24, 転移巣より樹立されたTCCSUP)を用いて染色を実施。 2.血清中の自己抗体を利用した腫瘍関連抗原の同定:膀胱癌患者血清中の自己抗体を解析する方法が確立しており、この方法を基本に、細胞株を二次元電気泳動しPVDF膜に転写後、展開された蛋白を用いて、膀胱癌症例での細胞異型度(grade)1から3までの患者血清、正常者血清を8名ずつ用いて一次抗体とし、網羅的に自己抗体が認識する腫瘍関連抗原を同定した。同定した蛋白質はすでに合成しており、一次スクリーニングを行った。自己抗体を138個獲得し、機能が不明な蛋白質38個も検出。既存の蛋白質も含めて、腫瘍マーカーとしての有用性を検討したものを、反応性の良好な抗体群は二次スクリーニングへと移行させた。いずれも健常者と比較し膀胱癌症例で有意な上昇を認めていた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに獲得済みの膀胱癌特異的抗体、自己抗体が認識する蛋白質に対して、収集済みの多数例膀胱癌患者血清・腫瘍組織との反応性をスクリーニングし早期診断、予後予測マーカーの獲得も概ね良好と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.獲得した単クローン性抗体を用いた一次スクリーニング、患者血清を一次抗体として用いた腫瘍関連蛋白質の一次スクリーニングを行う。 2.同様の検討で、早期診断に関する腫瘍関連蛋白質に関しては、精製蛋白質を用いて単クローン性抗体の作製を行うか、市販の抗体を購入して、膀胱癌組織マイクロアレイを用いて免疫染色を行う。 3.得られた抗体の発現と臨床病理学的因子との関連性を統計学的に検討する。 4.診断のみならず治療的な役割を検討するため、各々の蛋白質が人体に悪影響を及ぼさずかつ膀胱癌への腫瘍原性の強いエピトープ部分を同定し、テーラーメイドペプチドワクチン療法への応用を検討する。
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Causes of Carryover |
試薬納品が年度内に間に合わなかったこと。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
納品次第、経費計上となります。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Transition to robot-assisted laparoscopic prostatectomy is associated with a reduction of positive surgical margin2015
Author(s)
K Tabata,T Satoh,K Matsumoto,H Tsumura,T Hirayama,M Nishi,T Fujita,D Ishii,K Yoshida,M Iwamura
Organizer
33rd World Congress of Endourology & SWL
Place of Presentation
London,UK Excel London
Year and Date
2015-10-03
Int'l Joint Research
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[Presentation] 進行性膀胱癌の治療2015
Author(s)
松本和将
Organizer
北九州市泌尿器科医会 平成27年度 第3回研修会
Place of Presentation
ステーションホテル小倉(福岡県北九州市)
Year and Date
2015-07-30
Invited
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