2019 Fiscal Year Annual Research Report
Novel strategy for castration-resistant prostate cancer using adipose-derived stromal cell
Project/Area Number |
15K10611
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
高原 健 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (90418939)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 脂肪幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究では、前立腺癌増殖における脂肪幹細胞(AdSC, Adipose-derived Stem Cell)の影響を、種々の細胞実験と動物モデルで検討した。【方法】in vitroにおいて、LNCaP(アンドロゲン依存性人前立腺癌細胞)、PC3(アンドロゲン非依存性人前立腺癌細胞)、PC3M-luc2(ルシフェラーゼが導入され高率に転移を来たすPC3)を、AdSCあるいはコントロール(ヒト皮膚線維芽細胞:Normal Human Dermal Fibroblasts (NHDF))と共培養することにより、前立腺癌細胞増殖抑制効果を検討した。またLNCaP、PC3は皮下移植モデルで、PC3M-luc2は腹腔内移植モデルを使用し、in vivoにおける腫瘍の発育形態を検討した。【結果】AdSC群はNHDF群と比較し、in vitroあるいはin vivoにおいて、LNCaP、PC3、PC3M-luc2のいずれの前立腺癌細胞増殖を抑制し、アポトーシスを亢進させることが示された。Micro array解析の結果、AdSC群におけるTGF-B1、TNFSF7・9、ATF5、GADD45Gの発現上昇が認められた。AdSCのエクソソーム miRNA arrayでは、miR-145の高発現を認め、miR-145 Inhibitorを使用することにより、抗アポトーシス蛋白であるBclxLの発現上昇を伴い、抑制された細胞増殖能のrescueを認めた。【結語】脂肪幹細胞は、主にmiR-145を分泌することにより、アポトーシスを誘導し、ホルモン依存性あるいは非依存性前立腺癌の発育を抑制させることが示された。体性間葉系幹細胞を用いた自家細胞移植による組織治療は、前立腺癌の新規治療法の一つとなり得る可能性が示唆された。
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