2017 Fiscal Year Research-status Report
The exploratory research of congenital hydronephrosis using animal model
Project/Area Number |
15K10631
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高山 達也 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90324350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 辰男 自治医科大学, 医学部, 教授 (40200422)
中井 秀郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (50167540)
久保 太郎 自治医科大学, 医学部, 助教 (50508744)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水腎症モデル動物 / ゲノムDNA解析 / ポリアミン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はInversed PCR法を用いて、ポリアミン摂取による水腎症発症に関与するゲノムDNA上の遺伝子変化部位または領域を同定する事を目的として研究を進めた。平成27年度および平成28年度の研究成果より、Luciferase-Transgenic LEW ラット(Luc-Tg LEWラット)の 雄8~10週齢に0.1%ポリアミン含有飼料を経口摂取させる事で水腎症を発症し、その後、飼料よりポリアミンを除去すると水腎症が消退する事を見出している。そこで、ポリアミン摂取により水腎症を呈するLuc-Tg LEWラットと水腎症を呈しないWild-type LEWラットの腎臓組織よりゲノムDNAを用いて抽出した。Reversed PCR法とLuciferase cDNAに特異的なPrimerを用いて、ポリアミン関連および水腎症関連の遺伝子情報をDNAシーケンサーで解析を行う事にした。破壊されたゲノム領域を明確に特定するために、「Luciferase cDNAおよびプロモーター領域(約1.5kbp)」の前後、約3kbp以上のゲノムDNA断片(全長約7.5kbp以上)が適当である。そこで抽出したゲノムDNAを各種制限酵素(単一)で処理し、ゲノムDNA鎖長が少なくとも7.5kbp以上の領域にスメアバンドが確認されたサンプルのみLigaseを用いて自己閉環させた。尚、用いる制限酵素はLuciferase cDNA領域を切断しない事を条件に選抜している。次にLuciferase cDNA領域内で設計した特異的プライマーを用いてPCRを行い、7.5kbp以上の領域にバンドの有無を確認した。 なお、腎臓組織からの行っていたゲノム抽出を本年度では培養する事で常に充分量かつ安定したゲノムDNA量が確保できるLuc-Tg LEWラット由来間葉系幹細胞からゲノムDNAを抽出する方針に切り替えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度では、EcoRI, HindIII, BamHI, ScaI, NdeI, XhoI, SalIの計7種類の制限酵素を個別に用いてゲノムDNAを切断した結果、Inversed PCR産物の最長は約2.3kbpであり、全て目標である7.5kbp以下であった。従って、目標値である7.5kbp以上のPCR産物を得るために、使用する制限酵素の探索が必要である。そこで、当初3年間の研究期間を1年延長する事にした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は以下の3項目について検討をする。
①目標のゲノムDNA鎖長(7.5kbp以上)を回収するための制限酵素を選抜し、Inversed PCR法を用いて、ポリアミン摂取による水腎症発症に関与するゲノムDNA上の遺伝子変化部位または領域を同定する。 ②研究協力者に検体を送り、メタボローム解析を実施する。 ③「①」と「②」の実験成果を基に、代謝関連遺因子の機序解明を目的として遺伝子発現解析をReal-time PCR法にて遺伝子発現量を定量化して検討する。特に重要と予想される因子はタンパク質レベルでの発現定量および構造変化などを検討する。
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Causes of Carryover |
常に充分量かつ安定したゲノムDNA量が確保できるLuc-Tg LEWラット由来間葉系幹細胞からゲノムDNAの抽出、目標値である7.5kbp以上のPCR産物を得るために使用する制限酵素の探索、また、その後のLigation、ゲノムDNA解析等の各種分子生物学的実験にかかる費用や研究成果報告のための学会参加費用、論文作成費用等が必要である。
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