2017 Fiscal Year Annual Research Report
Pathophysiology and urine markers of interstitial cystitis
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15K10633
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
古田 昭 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90349613)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 間質性膀胱炎 / 過活動膀胱 / 尿中マーカー / 病態 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】間質性膀胱炎(IC)と過活動膀胱炎(OAB)の臨床症状は類似しており、膀胱の炎症がどちらの病態にも関与していることが近年報告されている。したがって、これらの疾患を正確に鑑別することは重要であり、適切な治療にも繋がる。そこで、IC患者とOAB患者の尿中炎症性サイトカイン・ケモカイン・増殖因子を比較検討した。 【方法】継続加療中のハンナ型IC(HIC)患者30例、非ハンナ型IC(NHIC)患者30例、年齢と性別をマッチさせたOAB患者28例を対象とした。40種類の代表的尿中炎症性サイトカイン・ケモカイン・増殖因子をMilliplex immunoassay kidを用いて測定し、ノンパラメトリックANOVA検定を用いて3群間で比較検討した。また、IC患者とOAB患者におけるICの診断効率に関して、Receiver Operating Characteristic(ROC)曲線を用いて検討した。 【結果】HIC群とNHIC群はOAB群と比較して、尿中VEGF、IL-1α、IL-6、CCL2、CCL5、CXCL1、CXCL8、CXCL10が有意に増加していた。また、HIC群はNHIC群と比較して、尿中CXCL8とCXCL10が有意に増加していたが、その他の尿中マーカーに関して、各群間で有意差は認められなかった。また、VEGF、CXCL10、CXCL8、IL-1α、CCL5、CCL2、IL-6、CXCL1のROC曲線下面積はそれぞれ0.87、0.86、0.81、0.80、0.80、0.71、0.66、0.50であった。 【結論】IC患者はOAB患者と比較して膀胱の炎症が強いことが推察された。また、血管新生促進物質であるVEGFならびに抑制物質であるCXCL10がIC患者で有意に増加しており、これら血管新生を調整するケモカイン・増殖因子がICの病態に関与している可能性が示唆された。
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