2017 Fiscal Year Research-status Report
免疫学的ハイリスク腎移植における抗CD20抗体投与後のB細胞免疫応答機構の解明
Project/Area Number |
15K10637
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齋藤 満 秋田大学, 医学部, 講師 (80400505)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 移植免疫 / 腎移植 / 抗体関連型拒絶反応 / BAFF / 抗CD20抗体 / 活性型B細胞 / 形質細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの脾臓またはリンパ節、血液等を用いたリンパ球(CD3、CD4、CD8、CD20、CD138等のレパトア)のフローサイトメトリー解析は、安定して結果が得られるようになり、同リンパ球レパトアの免疫組織染色及びその評価も可能となった。病理組織標本において免疫組織染色で染色される各リンパ球レパトアのpopulationを、画像解析ソフト(Winroof2015)を用いて定量化できるようになった。 また、血清中の炎症性・抗炎症性サイトカイン(IL-6、IL-10、IL-12、TNF-alpha等)の測定やquantitative real time RT-PCRによる腎臓および脾臓中の炎症性・抗炎症性サイトカイン・副刺激シグナル関連抗原分子(CD80、CD86、ICAM-1等)のmRNAの測定も可能となった。さらにウエスタンブロッティング法による副刺激シグナル関連抗原分子のタンパク発現量も安定して評価できるようになった。 まずはC57BL/6 (MHC: H-2b)、BALB/c (MHC: H-2d)の皮膚片をそれぞれC57BL/6 (MHC: H-2b)に移植する皮膚移植モデルの実験(H-2b ⇒ H-2b:非感作マウス - syngeneic control、H-2d ⇒ H-2b:感作マウス - allogeneic control)を行い、allogeneic controlでは皮膚片が10日間程度で拒絶されることを確認する。ここで感作・非感作マウスの血清BAFF濃度の推移を確認し、また2次リンパ組織中のB細胞レパトア(特に形質細胞)の細胞数(密度)の変化を確認する。我々の仮説が正しければ感作マウスでは2次リンパ組織中の形質細胞数が増加しており、B細胞系の恒常性が保たれているためBAFF濃度は非感作マウスと比較して低く維持されているはずである。これを確認後、感作・非感作マウスにそれぞれ抗CD20抗体(rituximab)やproteosome inhibitor(bortezomib)を投与し、血清BAFF濃度の推移と2次リンパ組織中のB細胞レパトアとの関連性を評価する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手術などの臨床業務で多忙を極めたことが影響し、予定していたC57BL/6 (MHC: H-2b)、BALB/c (MHC: H-2d)の皮膚片をそれぞれC57BL/6 (MHC: H-2b)に移植する皮膚移植モデルの実験(H-2b ⇒ H-2b:非感作マウス - syngeneic control、H-2d ⇒ H-2b:感作マウス - allogeneic control)がなかなか進まなかったことが原因である。今年度は臨床業務内容やその量を見直して実験に専念できる時間を捻出する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずはC57BL/6 (MHC: H-2b)、BALB/c (MHC: H-2d)の皮膚片をそれぞれC57BL/6 (MHC: H-2b)に移植する皮膚移植モデルの実験(H-2b ⇒ H-2b:非感作マウス - syngeneic control、H-2d ⇒ H-2b:感作マウス - allogeneic control)を行い、allogeneic controlでは皮膚片が10日間程度で拒絶されることを確認する。ここで感作・非感作マウスの血清BAFF濃度の推移を確認し、また2次リンパ組織中のB細胞レパトア(特に形質細胞)の細胞数(密度)の変化を確認する。我々の仮説が正しければ感作マウスでは2次リンパ組織中の形質細胞数が増加しており、B細胞系の恒常性が保たれているためBAFF濃度は非感作マウスと比較して低く維持されているはずである。これを確認後、感作・非感作マウスにそれぞれ抗CD20抗体(rituximab)やproteosome inhibitor(bortezomib)を投与し、血清BAFF濃度の推移と2次リンパ組織中のB細胞レパトアとの関連性を評価する。
|
Causes of Carryover |
手術などの臨床業務で多忙を極めたことが影響し、予定していたC57BL/6 (MHC: H-2b)、BALB/c (MHC: H-2d)の皮膚片をそれぞれC57BL/6 (MHC: H-2b)に移植する皮膚移植モデルの実験(H-2b ⇒ H-2b:非感作マウス - syngeneic control、H-2d ⇒ H-2b:感作マウス - allogeneic control)がなかなか進まなかったため。 本実験では多くの実験動物を使用する予定であり、またそれに伴い薬剤などの消耗品の使用も多くなるため、多くの出費が見込まれる。
|
Research Products
(2 results)