2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of B cell response after anti-CD20 antibody administration in immunogically-high risk kidney transplantation
Project/Area Number |
15K10637
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齋藤 満 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (80400505)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 腎移植 / リンパ節 / BAFF / B細胞 / 形質細胞 / 抗体関連型拒絶反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初予定していた動物実験では思う様な結果が得られなかったため、ヒト検体(移植腎病理標本)での再検証を行うこととした。近年、移植腎内の3次リンパ節形成という概念がある。移植腎間質の線維化は単に線維化のみでは移植腎予後に影響しないが、そこに炎症細胞浸潤を伴った場合に移植腎の予後を悪化させるという報告(Park WD et al, J Am Soc Nephrol 2010)もある。そこで2004年7月から2014年12月の期間に当科で腎移植療法を行った204症例のうち、明らかな拒絶反応を伴わない181例を対象に3次リンパ節の検討を行った。移植後1か月、6カ月、12か月後の定期腎生検標本を用いて3次リンパ節形成を伴っている症例について、その移植腎機能、危険因子、などについて検討した。3次リンパ節の定義はSato Y et al, JCI insight 2016の基準を参照した。 これまでに得られた結果では、移植腎に3次リンパ節形成があり且つその成熟度が高い症例では、3次リンパ節形成が無い、もしくはあってもその成熟度が低い症例と比較して、移植後5年までの移植腎機能が有意に低いことが判明した。これはRituximab (RIT)投与の有無にかかわらなかった。 RIT投与を受けている場合、B細胞が著明に減少しているため、理論的には3次リンパ節形成は起こりにくいはずである。従って免疫学的リスクが高い症例のみならず、これまで通常の免疫抑制プロトコールで腎移植を行っていた症例も、RITを術前に投与しておいた方が移植腎予後が改善する可能性が示唆された。 今後はRIT投与症例における3次リンパ節形成が症例によって異なる原因は何か、3次リンパ節形成後に何らかの治療介入を行うことで移植腎予後が改善するのか否かなどについて、更に研究を行っていく予定である。
|