2016 Fiscal Year Research-status Report
核周囲物質と中心体関連分子を指標とした哺乳動物精子の卵活性化能評価の開発
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15K10638
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 千鶴 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80347054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
年森 清隆 千葉大学, 未来医療教育研究センター, 特任教授 (20094097)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精子 / 卵子活性化 / エクアトリン / MN13 / ODF2 / 男性不妊症 |
Outline of Annual Research Achievements |
【1】エクアトリン(Eqtn)と卵活性化機能の関係を解析するために、以下の実験を行ってデータを得た。 1.同日齢のEqtn遺伝子欠損(Eqtn-KO)胚と野性型胚の体重を比較したところ、両者の間に有意な差異があることが判った。2.Eqtn-EGFP-Odf2-EDFPダブルトランスジェニック(Tg)マウスを安定して維持繁殖できるようになった。3.Eqtn-EGFP-Odf2-EDFPダブルTg雄マウスと野性型雌マウスを交配して受精卵を解析したところ、EqtnとOdf2は前核形成期まで残存していることが判った。 【2】Odf2と卵活性化機能の関係を解析するために、Tgマウス作製を継続した。 1.Odf2-2a Tgマウスを安定して維持繁殖できるようになった。2.従来のTg作製方法ではOdf2-4-mCherry Tgマウスの作製は効率が悪いため、CRISPR/Cas9システムを用いたTg作りも開始した。 【3】Odf2と他の外側粗大線維蛋白質の関係を解析するために、Odf4遺伝子欠損(Odf4-KO)マウスを作製した。 CRISPR/Cas9システムを用いて、Odf4-KOマウスを作製した。Odf4に対するガイドRNAを作製してCas9ヌクレアーゼとともに野性型前核卵に導入し、2細胞期卵を仮親に移植することによって産仔を得た。リアルタイムPCRとアクリルアミド泳動による遺伝子変異解析を行ったところ、両アレルに変異が入ったF0マウス(雄3匹と雌1匹)が存在することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に沿って実験を行い、結果を得ている。 Odf2-2a-EGFP TgマウスとEqtn-EGFP-Odf2-EDFPダブルTgマウスの安定維持繁殖ができるようになった。Eqtn-EGFP-Odf2-EDFPダブルTgマウスを用いて受精実験を行い、結果を得た。CRISPR/Cas9システムを用いて、Odf4-KOマウスの作製に成功した。 Odf2-4-mCherryマウスは、まだ完成していないが、CRISPR-Cas9システムが順調に進むようになったため、CRISPR-Cas9システムを用いたTg作りを開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.Odf4-KOマウスの系統維持とF2ホモマウスの作製を行う。28年度に作製したOdf4-KOマウスの尾ゲノムを用いて遺伝子解析を行う。さらに、Odf4-KO-F0マウスの受精実験を行い、Odf4の受精における役割を解析する。雄Odf4-KO-F0マウスが不妊の場合、雌Odf4-KO-F0を野性型の雄マウスと交配させることによってヘテロマウスを得て、系統維持を行うとともに実験に使える十分数のマウスを確保する。 2.市販の抗ヒトODF4抗体(マウスおよびラットと交差)が、マウス精巣の免疫染色に適さないため、抗Odf4抗体を作製する。 3.CRISPR/Cas9システムを用いたOdf2-4-mCherry Tg作製を続ける。
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Research Products
(16 results)