2016 Fiscal Year Research-status Report
pDCを用いた末梢性免疫寛容誘導による移植臓器長期生着への戦略
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15K10649
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠田 和伸 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60348737)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の平成28年度の研究実績は以下の通りである。 1、 まず、使用するマウスとしてDBA, C3H, B6を用いたが、それらの骨髄細胞をsingle cell suspensionとしMiltenyi社のpDC separationキットでpDCを分離することができた。さらにフローサイトメトリーでB220highLy6chighCD11clowの集団であることを確認できた。 1、既知の事実として、DBAドナーからB6レシピエントへの腎移植においてはspontaneous toleranceが成立するが、C3Hドナーからの移植では成立しない事が分かっている。そこでDBAおよびC3H由来のpDCを用いて、B6由来のナイーブT細胞(CD4+CD25-)と共培養し、まずはTreg (Foxp3+T細胞)の誘導率をフローサイトメトリーで検討した。上記の細胞を3日間共培養し、T細胞の細胞内染色を行いFoxp3陽性細胞の割合を検討した。C3Hでは誘導率3-5%程度であったのに対し、DBAでは10-15%と有意に高値であった。また同時に細胞内サイトカイン及び、上清中のサイトカインを測定したところ、DBA pDCを含む細胞群ではIL-10、TGF-bの産生が有意に上昇していた。 2、上記のDirect pathwayだけでなく、Indirect pathway (B6由来pDCにDBA由来細胞断片を貪食させ、B6 T細胞に抗原提示させる)においてもTreg誘導が高率に行われる事を確認することが平成28年度の目標であった。その際に貪食を有効に行わせるためアポトーシス細胞が放出する”find-me”シグナルであるヌクレオチドを添加し、Treg誘導を確認する予定であったが、思うような結果が出ていないのが現状である。現在、実験系を修正し、確認している途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DBA plasmacytoid dendritic cellを用いてIndirect pathwayによるTreg誘導率が他strainのpDCより高いことを証明する予定であったが、実験結果にばらつきがあり安定した結果となっていない。ヌクレオチド添加も行っているが添加量等に問題があるのかもしれない。現在、さまざまな条件で確認を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは上記のIndirect pathwayでのTreg誘導を安定させること。その上で、in vivoにおいてその細胞集団を前投与した状態で心移植、皮膚移植を行い移植片の生着延長が得られるか確認して行く予定である。
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