2017 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between aurora and cohesin proteins in human oocytes with maternal age-relating chromosome abnormality
Project/Area Number |
15K10656
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
渡邉 誠二 弘前大学, 医学研究科, 講師 (10241449)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 老化卵子 / 染色体異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトにおいて母体年齢が上がるにつれて流産やダウン症などの染色体異常児の出産が増加することは一般にもよく知られるところとなった。これらの現象は、加齢と共に卵子成熟中に生じる染色体異常の頻度が増加するためと考えられているが、そのメカニズムは不明な点が多い。本研究は、ヒト老化卵子に生じる高頻度の染色体異常に関わるヒト特有の現象を見出すことでヒト卵子老化のメカニズムを明らかにするとともに、卵子老化を克服することを目的としている。本年度は、①すでに見出した数種類あるオーロラ蛋白群の変動を個別に確認すること、②ヒト老化モデル卵子を用いたマイクロアレイで新たな老化関連因子の抽出し、それらの変動を確認すること、③オーロラ蛋白注入により卵子におこる変化をマイクロアレイおよび免疫染色により確認することを目的とした。 その結果、①ヒト卵子老化に伴う染色体異常の増加に関わるオーロラ蛋白は、主に一つであることが確認された。この現象は短命なマウスでは確認できす、ヒト特有のものであった。②染色体異常が高頻度におこる老化モデル卵子では細胞周期に関わる特定蛋白が核小体に集積しているのに対し、染色体異常を抑制した老化モデル卵子ではそのmRNA発現は上昇するにもかかわらず、核小体への集積は消失し特定部位への集積が認められなくなった。これらの現象は、やはりマウス卵子では認められない現象であった。③卵子老化に関与が認められたオーロラ蛋白を老化モデル卵子に顕微注入した場合でも、卵子成熟が正常に起った。この顕微注入卵子のマイクロアレイの結果をすでに得られている老化モデル卵子、老化改善卵子のマイクロアレイの結果と比較し発現量の変化をいくつかの遺伝子で確認した。
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Research Products
(1 results)