2015 Fiscal Year Research-status Report
自然周期採卵における小卵胞由来卵子の由来推定とその有用性
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15K10659
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 宏一 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70507194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生水 真紀夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30226302)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小型卵胞 / 自然周期排卵 / 成熟卵 / 小卵胞穿刺 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、自然周期による採卵の効率を上げるため、主席卵胞以外の小卵胞に注目した。卵胞径3-10mmを小卵胞と定義し、主席卵胞と小卵胞の穿刺吸引を行った。現在のところ40人、145周期より穿刺を行い、小卵胞は平均で4.77個/周期採取し、その中で卵子獲得は1.23個であった。 卵胞液中のステロイド、ゴナドトロピン計測の結果は主席卵胞:小卵胞で、LHは40:38 mIU/ml、FSHは12:8.2 mIU/ml、E2は880:975 ng/ml、P4は12:0.9 μg/ml、TSTは1.6:5.3 μg/dlであった。まだ、preliminaryなデータであるので結論が出せない状況ではあるが、プロゲステロン値は小卵胞で優位に低い傾向にある。しかし小卵胞液の採取量により、計測制度が異なる可能性もあり、判断は追試を行ってから行いたい。 また、卵丘細胞中での遺伝子発現解析を行っている。まずモーラ的解析ではなく、成熟卵胞の卵丘での発現が、文献上で報告されているヒアルロン酸合成酵素に注目した。ヒアルロン酸合成酵素2(HAS2)はLHサージ後の卵丘細胞で発現が誘導され、排卵にかかわっているとされている。そこで卵丘細胞でのHAS2発現をqPCRにて解析。まず主席卵胞のみの発現を見ているだけだが、LHサージによる増加を認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者数は当初の予定より少なめではあるが、大きな遅れはない。採取卵胞液が少ないために、測定系の精度向上が求められる。測定キットのスケールを変更することにより精度を上げたいと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
大きな変更はなし。 卵胞液測定系の精度向上。 採取RNAが少ないため、アレイ解析に先立ち、その正確性を判定するために、卵丘細胞、顆粒膜細胞でLHサージによる発現上昇が認められる遺伝子を、個別に確認し、それを指標にアレイ解析を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
計画に上がっていた、卵丘細胞と顆粒膜細胞のアレイ解析ができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度に上記、アレイ解析を行う予定であるため、上記未使用金を使用する予定である。
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