2015 Fiscal Year Research-status Report
内診指接着型胎児オキシメーターを用いた新規胎児モニタリング法の開発
Project/Area Number |
15K10667
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
内田 季之 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90570234)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部附属病院, 教授 (70263085)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 胎児アシドーシス / 組織酸素飽和度 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、普及している胎児心拍数(FHR)モニタリング法を補完し、胎児の酸素動態、循環動態を評価しうる胎児モニタリング法を開発し、臨床的評価を行うことである。 分娩時の臨床研究として内診指接着型胎児オキシメーターにて分娩第II期での胎児脳組織酸素飽和度と胎児脳総ヘモグロビン指数を連続的に測定し、解析を行った。分娩第II期30例の測定を行い、正常新生児は25例で、平均組織酸素飽和度は65.5±8.58%であった。臍帯動脈血pHとの相関係数は0.52で有意に相関していた(N=30, p=0.03)。総ヘモグロビン指数を解析したところ、異常新生児の症例は低値のことがあることが判明した。この内容はJ Perinat Med誌に2015年に採択された。 動物実験として指接着型オキシメーターを用いてマウスの前額部から頬部の組織酸素飽和度と総ヘモグロビン指数を測定した。酸素濃度条件を変更して測定し、酸素濃度と組織酸素飽和度、組織酸素飽和度と総ヘモグロビン指数の相関を検討した。測定後、頬部より採血し血液pHを測定し組織酸素飽和度とpHの相関を求めた。酸素濃度条件は16.7-21%としマウスの組織酸素飽和度は33-54%であり相関係数はr=0.86 (N=9, p<0.01)となり有意な相関を認めた。酸素濃度条件を変えて血液採取して測定したpHと組織酸素飽和度の間には有意な正の相関がみられた(N=9, r=0.9, p<0.01)。この内容はJ Biomed Opt誌に2016年に採択された。 臨床研究、動物実験から臨床で侵襲的なためにあまり用いられないが有用と考えられている胎児頭皮採血によるアシドーシスの評価が指接着型オキシメーターでの組織酸素飽和度測定で代用でき、新しい分娩時の胎児wellbeing評価となり得ることが考えられた。 これらの内容は第38回日本母体胎児医学会のシンポジウムで発表をした。倫理委員会に承認され、多施設共同研究で内診指接着型胎児オキシメーターを用いた新規分娩時胎児モニタリングとして開始している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多施設共同研究が開始でき、UMIN登録を行ったこと。英文論文として2編発表、課題関連の国内主要学会でのシンポジウム発表を行えたこと。
|
Strategy for Future Research Activity |
分娩第I期における胎児組織酸素飽和度および総ヘモグロビン指数についてまとめる。多施設共同研究で行っているデータの中間解析を発表する。総ヘモグロビン指数上昇、低下していることについて臨床的意義があるかを検討する。
|
Causes of Carryover |
少額となっており、購入すべきものがあれば0円になってしまう可能性があったため翌年に持ち越した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
測定で使用する消耗品に使用したい。
|
Research Products
(8 results)