2017 Fiscal Year Research-status Report
内診指接着型胎児オキシメーターを用いた新規胎児モニタリング法の開発
Project/Area Number |
15K10667
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
内田 季之 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90570234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 理事 (70204550)
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部附属病院, 教授 (70263085)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 近赤外線分光法 / 組織酸素飽和度 / 胎児モニタリング / 胎児オキシメーター |
Outline of Annual Research Achievements |
新しい胎児評価法として、近赤外線センサーを内診指に装着した組織オキシメーター(FFO)を開発した。本機器は動脈血酸素飽和度でなく組織酸素飽和度(StO2)を測定し、局所の血液量を示す総ヘモグロビン指数(T-HbI)を同時に表示する 。既に分娩第II期での胎児のStO2は臍帯動脈血pHと関係していることを報告した 。多施設共同研究(UMIN試験ID: UMIN000020738)にてFFOは分娩時に胎児評価検査として有用でかつ安全に使用できるかの検討を行っており、解析可能な症例は197例まで蓄積された。 2016年2月から2018年1月で、分娩時に胎児心拍数モニタリング(CTG)と同時にFtO2測定を短時間行い、分娩時(I期、II期)の胎児StO2値の基準値設定を目的とした。分娩直後に臍帯動脈血(UmA)のガス分析を行い、pH7.20未満を異常と定義した。出生直後1分、3分、5分の新生児頭部のStO2を測定した。 I期、II期のどちらかで測定できたのは171例でUmApH正常は182例(平均pH7.31)、異常は15例(平均pH7.16)であった。正常例、異常例の平均胎児StO2は分娩I期/II期で43.1%/42.9%、35.9%/38.8%であった。新生児StO2の正常例、異常例は1分/3分/5分で49.0%/52.0%/52.9%、42.6%/48.5%/53.0%であった。CTGで高度変動一過性徐脈などの異常例は44例(平均pH7.29)あり、分娩I期/II期のFtO2は42.3%/38.4%、pH異常例9.1%でII期平均胎児StO2は38.4%で新生児StO2は1分と3分の値が低値となった。新生児入院症例では新生児の3分、5分値が50%を超えなかった。絨毛膜羊膜炎症例ではI期、II期、新生児1分が低値となった。本研究で有害事象を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度末日まで症例登録したため最終解析がなされていない。 症例登録は終了したため、この1年以内で解析後、論文、最終報告、学会発表をすることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
登録された症例を解析し、分娩時胎児組織酸素飽和度の正常値を設定する。胎児モニタリング異常、胎児組織酸素飽和度異常、子宮内感染徴候を認めた症例について対応するアルゴリズムを作成し、設定した胎児組織酸素飽和度正常値を指標とした分娩管理の多施設共同臨床研究を行う。
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Causes of Carryover |
多施設共同研究の最終解析を行っておらず、統計専門家に支払う謝金、論文校正費用などが残額として生じたためと考える。
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Research Products
(7 results)