2015 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜症の病態に潜在性子宮内感染と子宮内膜炎が及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
15K10675
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
カーン カレク 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60336162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 道夫 長崎大学, 大学病院, 講師 (50380845)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | endometriosis / bacteria / peritoneal fluid / GnRHa / antibiotics |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに私どもは,長年にわたり子宮内膜症の病態について詳細な検討を重ね,子宮内膜症では,エストロゲンによる発育・増殖の調整に加えて,子宮内膜および骨盤局所において,生殖機能に障害をもたらす炎症および炎症促進反応が生じていることを明らかにした(Khan et al. Fertil Steril 81:652,2004; Hum Reprod 20:49,2005; Hum Reprod 20:2004,2005; Hum Reprod 23:2008; Gynecol Obstet Invest 68:40,2009; Fertil Steril 94:2860,2010).また,子宮内膜症の炎症には局所の組織ストレス反応が関連し(Khan et al., Hum Reprod, 2013),炎症とエストロゲンの相加作用により子宮内膜症の増殖に影響することを示した[Khan et al., Reprod Sci, 2014 (submitted)].内分泌機構と炎症は子宮内膜症の病態に大きく関わっている(Khan et al., Hum Reprod, 2005; AJRI, 2008).細菌性エンドトキシンであるリポポリサッカライド (LPS)が炎症の初期トリガーとしてTLR4受容体を介して子宮内膜症の増殖に関与している(Khan et al., Fertil Steril, 2010; Hum Reprod, 2012). E.coliが月経血に混入する機序のひとつとして,私どもは,子宮内膜症では月経血あるいは腹水中のPGE2濃度が上昇しており,これらは直接的な細菌増殖促進作用あるいは間接的な免疫抑制作用によりE.coliの増殖に関与していることを示した(Khan et al., Hum Reprod, 2013).また,抗菌蛋白であるヒトβ-defensin-I(HBD-1)およびSLPIの子宮内膜における発現が月経期に低下することを確認し,これらは子宮内膜症での細菌コンタミネーションに関与している可能性がある(カーンら, 日本エンドメ学会誌, 33:2012).私どもは,10年にわたるこれらの検討から,子宮内膜症の新たな病態仮説として,「bacterial contamination hypothesis,細菌コンタミネーション仮説」を提唱した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、子宮内細菌叢の変化による子宮内膜症への影響を検討することを目的とする。子宮内細菌感染を標的とした、GnRHアゴニストおよび抗菌薬の単剤あるいは併用投与による子宮内膜症への効果を引き続き検討している。本研究は長崎大学と京都府立医科大学の共同研究である。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、腟内環境と体外受精の成功率との相関関係が報告され、腟内環境の悪化により体外受精の成功率が低下する可能性が示唆されている。しかし、生殖補助医療において腟内環境による影響を分子生物学的に評価した報告はごく限られている。今回われわれは子宮内細菌叢が腟内環境の一指標である腟内pHにどのように影響するかを検討し、その変化が体外受精の成功率に影響するかどうかを分子生物学的に検討する。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Role of EMT in adenomyosis2015
Author(s)
Khan KN, Kitajima M, Hiraki K, Fujishita A, Nakashima M, Masuzaki H
Organizer
The 1st Symposium on Reproductive Diseases
Place of Presentation
Bangkok, Thailand
Year and Date
2015-12-12 – 2015-12-13
Invited
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