2018 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜症において発現が増強しているmiR-210の意義に関する研究
Project/Area Number |
15K10679
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
楢原 久司 大分大学, 医学部, 教授 (60211447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 東望子 大分大学, 医学部, 助教 (20516132)
奈須 家栄 大分大学, 医学部, 教授 (30274757)
河野 康志 大分大学, 医学部, 准教授 (40274758)
甲斐 健太郎 大分大学, 医学部, 助教 (90457622)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / マイクロRNA / STAT3 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症病変は、月経周期に伴って出血、凝血、吸収を繰り返して瘢痕化し、病態が進行する。子宮内膜症において発現異常を認めるマイクロRNAについて検討するため、正常子宮内膜間質細胞と子宮内膜症間質細胞におけるマイクロRNAの発現プロファイルをマイクロRNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析した。その結果、正常子宮内膜間質細胞に比べ、卵巣子宮内膜症性嚢胞間質細胞におけるmiR-100、miR-132、miR181a、miR-210の発現が亢進していることが分かった。これらのマイクロRNAのうち、最も増加率が高かったmiR-210 に着目し、① 子宮内膜症細胞におけるmiR-210 の標的遺伝子の網羅的解析、② 網羅的解析によって見出された候補遺伝子の役割に関する分子生物学的および細胞生物学的検討をおこなった。 まず、miR-210 の強制発現により制御される標的遺伝子群について、gene expression マイクロアレイによる網羅的解析、続いて、Ingenuity Pathway analysisを用いてpathway解析を行い、miR-210 の下流に存在するsignal pathway の抽出を行った。抽出された遺伝子群とsignal pathway から、子宮内膜症の病態形成に深く関与すると推測されるものを中心に、分子生物学的手法および細胞生物学的手法を用いてさらに詳細に検討を行った。病態形成に重要な遺伝子候補であるSTAT3とその関連遺伝子が明らかとなった。STAT3は子宮内膜症の増殖、アポトーシス耐性、血管新生に関与することが明らかとなった。さらにSTAT3阻害剤の治療薬としての有用性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は英文誌に論文として掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
重要なマスター遺伝子候補であるSTAT3に着目し、その阻害剤の治療効果について検討するため、子宮内膜症の移植モデルマウスの作成に着手する。
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Causes of Carryover |
他の研究結果を待って実験法の再検討するため、次年度に予算配分としました。
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