2015 Fiscal Year Research-status Report
B群溶血性連鎖球菌新規検出方法の確立と妊婦検診への実用化に向けた症例集積研究
Project/Area Number |
15K10684
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高山 陽子 北里大学, 医学部, 准教授 (80286278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花木 秀明 北里大学, 北里生命科学研究所, 特任教授 (60286747)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | GBS新規検出法 |
Outline of Annual Research Achievements |
Streptococcus agalactiae(Group B streptococcus:GBS)は、新生児髄膜炎や敗血症などの重篤な感染症を惹起する病原菌であり、産道感染をおこせば重篤な後遺症を残し、死産に至らせる場合がある。米疾病対策予防センター(CDC)は膣と直腸内のGBSを増菌することによって可能な限り見逃さない方法(CDC法)を採用している。我が国の検出方法は血液寒天培地に直接塗抹するか、選択培地で培養する方法が一般的であるが、どちらの方法もCDC法に比べて検出率が低く、見逃されている現状がある。一方で、GBSを検出可能なイムノクロマト(IC)法が花木らによって開発されており、このIC法と増菌培養を組み合わせることでCDC法と同等以上の検出率を確保できると考えられる。本研究では、我が国で一般的に行われている検出法と増菌培養+GBS検出IC法を臨床検体を用いて比較し、我が国の不備なGBS検出方法の改善を目的とする。今年度は以下を実施した。 ①検体を直接血液寒天培地に塗抹してラテックス凝集反応(LA法)で同定する方法 検体を直接血液寒天培地に塗抹してLA法で同定する方法を従来法として実施した。妊婦からのGBS検出は、一般的に細菌検査室を有する病院では、膣や直腸の拭い綿棒を血液寒天培地に塗抹後、培養してコロニーを形成させ、そのコロニーを用いてLA法での同定を実施している。 ②検体をGBS選択培地(抗菌薬含有で色素産生GBSがオレンジに着色)で培養して着色した菌のみをGBSと同定する方法 個人病院等の細菌検査室を有しない病院では、溶血性GBSのみを検出可能なGBS選択培地での検出が行われており、この方法についての検出も試みた。 現段階で収集した363検体のうち、LA法を用いて確認されたGBSは46株、また、GBS選択培地を用いて確認されたGBSは42株であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体の収集や解析に時間を要したが、LA法とGBS選択培地を用いた検討を行うことができた。今後は様々な検証を並行して実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
検体をGBS選択培地で着色しない菌をGBS検出IC法で確認する方法を実施する。非着色の菌は看過されているため、その全てについてGBS検出ICで同定検査を実施する。このIC法はGBSに特異的な分泌蛋白のSip proteinを検出しているため、各種血清型や溶血や非溶血に左右されることなく、全てのGBSを検出できる。さらに、分泌蛋白として綿棒内に充分に分泌されているので綿棒からの抽出でIC法を実施できる。 また、PCR(Polymerase chain reaction)と試料成分の質量を測定する装置であるMALDI-TOF-MSを用いたGBSの同定を実施する。これまでの方法でGBSは同定されているが、統一した方法での同定が必要となる。既に確立した方法としてPCR法とMALDI-TOF-MS法があるため、これらを用いた同定を実施する。これらの方法で同定されたGBSをGBSとして、他の方法でGBSと同定された株との正誤の基準に用いていく。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、LA法で同定する方法と検体をGBS選択培地で培養して着色した菌のみをGBSと同定する方法を中心に実施したため、出費が予想を下回ったと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、他の様々な検査方法で検証を行うので、複数の試薬類や消耗品を購入する予定である。また、国内外の学会発表も並行して行っていきたいと考えているため、旅費等も発生すると見込まれる。
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