2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of placenta using tissue-specific knockout mice
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15K10687
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
板倉 敦夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (70262897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 真太郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70570894)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PRMT / placenta / mice / アルギニン / ADMA |
Outline of Annual Research Achievements |
PRMT(protein arginine methyltransferase)は、タンパク質のアルギニン残基にメチル基を転移する翻訳後修飾酵素であり、転写やシグナル伝達、細胞の分化、増殖など多彩な機能を制御する。PRMTはsアデノシルメチオニンをメチル基供与体としてモノメチルアルギニンを介して、アルギニン側鎖の窒素原子のうち片方の窒素原子にメチル基を転移させる。タイプ1PRMTは非対称性ジメチルアルギニンをタイプ2PRMTは対称性ジメチルアルギニンの形成を触媒することがわかっている。 タイプ1の中でもPRMT1は哺乳動物細胞内の85%のアルギニンメチル化反応を担う酵素であり、核と細胞質に局在する。PRMT1 は複数のバリアントが存在し、中でもバリアント 2(v2)は核外移行シグナル配列を持ち、細胞質のみに局在する。近年、PRMT1が細胞の分化・増殖や血管形成に関与することが判明しつつあるが、胎盤の構造や機能に対する役割は未解明である。 これまで、胎盤でのPRMT1の発現は、組織全体のmRNAレベルで報告されていたが、胎盤組織内での発現部位は不明であった。今回我々は、タンパク質、mRNA、PRMT1-ß-galレポーターマウスを用いたX-gal、また染色組組織免疫染色など複数の手法により、PRMT1が母体と胎仔間の相互作用の場である胎盤迷路層で主に発現しており、PRMT1が胎生期では経時的に変化することを明らかとした。さらにADMAの胎盤での経時的変化を液体クロマトグラフィー質量分析法で示した。今回の我々の研究は胎盤発達におけるPRMT1を介したアルギニンメチル化の基本的な情報を得ることが出来たと考える。
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