2015 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンサーによる重症胎児疾患の原因解明と遺伝子ライブラリーの確立
Project/Area Number |
15K10690
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
松岡 隆 昭和大学, 医学部, 准教授 (20349111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関沢 明彦 昭和大学, 医学部, 教授 (10245839)
四元 淳子 昭和大学, 医学部, 特別研究生 (30553648)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エクソーム解析 / 遺伝カウンセリング / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
無脳症(無頭蓋症)や重度水頭症は胎児期に診断されうる形態学異常でも、重篤で予後不良である。しかし、その発生頻度の低さから原因追及はされず、もしくは染色体異常以上の検索が行われない事が多い。しかし、染色体検査だけではその遺伝学的異常の有無を判断するには不十分であり、次の妊娠に向けての再発率や夫婦の不安除去や人生設計には十分な情報提供を行う必要があると考えられる。また、その遺伝学的検索の施行に於いては、遺伝カウンセリングは不可欠であり医学的・倫理的の双方からのサポートによる意思決定が重要と考える。本研究に於いては羊水染色体検査やSNPマイクロアレイで異常を認めない反復性の胎児形態異常や重篤な胎児奇形症候群についての網羅的な遺伝子エクソーム解析による原因となる遺伝子変異の同定を目的とし本研究は行われている。昨年度は3回連続で無脳児を妊娠したカップルについて両親に遺伝カウンセリングを行い、同意のもと胎児組織より染色体G-band核型解析、および高密度SNPマイクロアレイ(250万サイトを検索)によるゲノム構造の精査を行った。染色体G-band核型の結果は46,XXの正常核型であり、マイクロアレイで検出可能な範囲では病的な染色体微細欠失・重複は認めなかった。葉酸摂取中止後に施行した血中葉酸値、ホモシステイン値は正常であった。無脳児再発症例であったため、次回妊娠に向けてフォリアミン錠5mg/日を内服開始し再度妊娠が成立したが、前回と同様に無脳児であった。両親の血液からDNAを抽出した。両親および患児のMTHFRのexon 4,7についてのシークエンス解析を実施したが、患児に特異的な既報の遺伝子多型は見出されなかった。この症例は、表現型として明らかな同一発生異常を4回反復しており、次世代シークエンサーによるエクソーム解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例そのものが非常に稀であり、集積がスムーズに行かない。
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Strategy for Future Research Activity |
集積を進めつつ解析を進める。新たなデータベース運用を開始する。
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Causes of Carryover |
2015年度は計画が遅れたため、持ち越し分が多くなってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベース作成を進める。
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Research Products
(5 results)