2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of fetal hepatic antigen of neonatl hemochromatosis and development of maternal IgG assay for NH
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15K10696
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
佐々木 愛子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期センター, 医師 (60560711)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 新生児ヘモクロマトーシス / 同種免疫性疾患 / 全国調査 / 発症頻度 / 原因遺伝子 / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成29年度は,本研究にて平成27-28年度に実施した全国調査「新生児ヘモクロマトーシスの対する実態調査(承認番号934)」にて収集した症例を対象に,「新生児ヘモクロマトーシスの病因解析を診断方法の開発(承認番号747)」研究への検体提供を募った.これにより集まった6家系(発端者,両親,母方祖父母のクインテット解析を2家系,発端者,両親のトリオ解析を4家系)に対し,次世代シーケンサーを用いたエクソーム解析を実施した. <発端者における病的変異> 新生児ヘモクロマトーシスは,その確定診断に他疾患との鑑別が重要な疾患であるが,新生児ヘモクロマトーシスと症状が類似するとされる,ニーマンピック病C型や,ミトコンドリア病などの遺伝子変異は,全6例において検出されなかった. <同種免疫性抗原をもとに想定される遺伝学的希少アレルの検索> 新生児ヘモクロマトーシスは,その高い再発率(80-90%)と特殊な家族歴(父が代わっても発症するが,母が代わると発症しない)などから,血液型不適合妊娠と同様の同種免疫性疾患としての病態が推定されている.よって,血液型(Rh型)不適合妊娠と同様に,母が抗原を持たず(null allele),児には父由来の抗原alleleが発現しているために,母児免疫不全を起こすような遺伝型の組み合わせについて検索した.具体的には以下の4パターン組み合わせを想定し,エクソーム解析結果を検討した. ①母が希少アレルのホモ,父は一般アレルを保持,②母が希少アレルのコンパウンドヘテロ,父は一般アレルを保持,③母が希少アレル保持+欠失,父は一般アレルを保持,④母が両アレル欠失,父は一般アレルを保持の,これらの①~④の組み合わせに合致する遺伝子候補で,6家系のうち3家系以上に共通してみられる候補はなく,本研究立案時に想定していた解析方法による原因遺伝子の同定は困難であった.
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Research Products
(5 results)