2015 Fiscal Year Research-status Report
肥満・インスリン抵抗性を標的にしたメトホルミンの子宮体癌予防にむけた臨床的研究
Project/Area Number |
15K10702
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三橋 暁 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40302541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生水 真紀夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30226302)
植原 貴史 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (70568659) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子宮体癌 / 肥満 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)子宮体癌は、肥満・インスリン抵抗性がリスクとなり、糖尿病の合併例も多い。このインスリン抵抗性の獲得に、Phosphatese 2A(PP2A)(セリン・スレオニン脱リン酸化酵素)で、PP2Aの活性化が関与しているとされる。また、Okadaic acidや内因性のPP2A抑制因子により癌の増殖が抑制されるとの報告から、PP2Aは癌抑制因子と考えられている。しかし、癌腫によってはPP2Aの抑制により、癌の増殖が抑制され、治療のターゲットとしての報告もある。これまで、子宮体癌患者に対するメトホルミン投与で、癌の増殖が抑制され、その効果はインスリン抵抗性改善による間接効果と考えてきた。そこで、メトホルミン投与時のPP2Aの関与を検討したところ、投与前後でPP2A mRNAの発現が減弱し,免疫染色でも活性の低下が確認された。siRNAでPPP2R4を抑制したところ、子宮体癌細胞株の増殖活性の低下、アポトーシスの増加が確認された。 2)肥満、インスリン抵抗性など、子宮体癌リスク因子を有する女性に対し、同意のもとメトホルミンを投与し、投与前後で増殖活性の変化を確認する臨床試験を施行している(UMIN000015470)。肥満女性では、リスクのない女性に比較して、ERKやAKTの活性化、Ki67発現亢進が確認されており、メトホルミン投与による予防効果を検証する。現在まで正常4名、子宮内膜増殖症3例が登録され、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肥満、インスリン抵抗性など、子宮体癌リスク因子を有する女性に対し、同意のもとメトホルミンを投与し、投与前後で増殖活性の変化を確認する臨床試験を施行中(UMIN000015470)。現在まで7名の登録がおこなわれており、解析中であるが、予定より登録が遅れており、期間延長して症例の集積を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
体癌のリスクのある女性を対象に、メトホルミンの効果を前向きに検討する予定であるが、症例登録がのびていない。肥満・インスリン抵抗性を有する子宮体癌手術予定患者に対するメトホルミン投与を行い、血清中の炎症性サイトカイン、アディポサイトカイン、代謝因子を測定し、メトホルミン服用で変化する因子と、それらの増殖活性に及ぼす影響を明らかにする検討を開始した。これにより、症例数の確保がスムーズに行えると考える。 3) in vitroで脂肪細胞と子宮内膜細胞の関連を検討し、脂肪細胞の分泌するアディポサイトカインの正常子宮内膜に対する影響を明らかにし、メトホルミンによる抑制効果を確認する。
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Causes of Carryover |
残金が少額であり、物品の購入ができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度予算と合わせ、物品費の購入にあてる
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Research Products
(3 results)