2016 Fiscal Year Research-status Report
HPV陰性子宮頸部腺癌の分子生物学的および腫瘍免疫学的特性の解明
Project/Area Number |
15K10729
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩田 卓 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30296652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20199334)
川井田 みほ 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30767025)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子宮頸部腺癌 / 胃型腺癌 / HPV |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は臨床的な検討として、HPV陰性腺癌の発生部位と診断上の問題点を検討した。また、腫瘍免疫学的解析については、CD4,CD8,CD20,FOXD9の免疫染色を実施し、HPV陽性腺癌と陰性腺癌で細胞浸潤数に差があるか検討した。 腫瘍局在の検討では、HPV陰性腺癌20例で検討したところ、腟部に主病変を認めた症例は7例にとどまり、このほかの13例は内頸部に主病変が存在した。これら13例のうち3例はコルポスコピーで外子宮口付近に限局した病変を観察可能であったが、10例は腟部に病変を認めず、診断には頸管内の組織採取が必要であった。以上から、HPV陰性腺癌は腫瘍が頸管内に限局して視認困難な症例が半数以上を占め、診断には頸管内病変の存在に留意した検索が重要であることが示された。 免疫学的検討では、癌実質部に浸潤するCD8,CD4,CD20,FOXP3陽性細胞の密度を検討した。まず、HPV陽性11症例と陰性症例7例について、自動染色によって各マーカーを染色したのち、バーチャルスライドとして取り込み、さらにTissue Studioによって癌実質部での陽性細胞の浸潤数を自動計測し、1mm2あたりの免疫細胞浸潤を計算した。HPV陽性腺癌とHPV陰性腺癌で各免疫細胞浸潤数に差があるか検討したところ、4種の細胞全てで浸潤数に有意差はなかった(CD8:P=0.659、CD4:P=0.930、CD20:P=0.930、FOXP3:P=0.425)。これらのことから、主な免疫担当細胞の腫瘍認識はHPV陰性腺癌と陽性腺癌で差はないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床病理学的検討とともに、免疫学的検討が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はGene-Chip解析を行い、細胞内シグナルの特徴を検討していく。
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Causes of Carryover |
効率的に研究を進めた結果です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子解析の費用に充当します
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