2017 Fiscal Year Annual Research Report
Towards precision medicine for ovarian cancer using drug sensitivity and resistance testing and genomic analysis
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15K10730
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
冨永 英一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80276328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 智子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40398699)
平沢 晃 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90296658)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 薬剤感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究業績として、これまでの研究にて我々が樹立した悪性腹膜中皮腫細胞株を使った2次元およびゲル包埋法による3次元培養下での薬剤感受性試験を実施した。悪性腹膜中皮腫由来の樹立細胞(KomyX)は、腹膜中皮腫治療中の患者腹水より樹立された細胞である。現在までに悪性腹膜中皮腫症例の腹水細胞より樹立された細胞株は報告されていない。細胞樹立された症例は悪性中皮腫の標準治療薬であるぺネトレキセド化学療法中であったが、本細胞の樹立時に採取された腹水中には、悪性中皮腫細胞が多数出現しており、臨床的に化学療法抵抗性の状態で採取された。 薬剤感受性試験の方法として、樹立細胞KomyXを384wellのmultiplateに播種し、2次元および3次元培養状態を作成し、プレートの各well上で72時間培養した後、36種の薬剤を各wellに6つの濃度に割り振り分けて添加しさらに72時間培養した。その後CellTiter-Go Luminescent Cell Viability Assay kitにてATP活性の蛍光強度を測定することで生存細胞数を測定し、各種薬剤のIC50を求めた。 その結果、悪性中皮腫の標準治療に使用される薬剤ペメトレキセドは2次元培養下でのIC50値で薬剤感受性を示したのに対し、3次元培養下では薬剤感受性を示さず、3次元培養下のIC50値は樹立細胞の腹水が採取された時点の臨床経過と一致しぺネトレキセド抵抗性であった。 本結果より、一般的に実施されている単層培養法ではなく、ゲル包埋法による3次元培養は生体内の状態を反映していると考えられた。
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Research Products
(10 results)