2017 Fiscal Year Research-status Report
卵巣明細胞腺癌の早期診断マーカーとしての血清中miRNAの探索と解析
Project/Area Number |
15K10733
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
西 洋孝 東京医科大学, 医学部, 教授 (60307345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 愛光 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20204026)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | miRNA / 卵巣癌 / 明細胞癌 / 腫瘍マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNA(miRNA)の発現パターンは、がんを含む種々の疾患においてダイナミックに変化するが、診断・治療に関するバイオマーカーとしても有望視されている。卵巣癌においては、漿液性癌や類内膜癌に有用な腫瘍マーカーとして血清中CA125値があるが、その早期には上昇しないことが多い。本研究では、有用な腫瘍マーカーの存在しない卵巣明細胞癌の早期診断を可能とするような血清中 miRNAの探索・同定を行う。卵巣明細胞癌患者における循環血液中のmiRNAを網羅的に解析し、発現量が大きく変化しているmiRNA(m iR-146a、miR-191、miR-484およびmiR-574-3p)を同定した。これらと進行期・予後・治療に対する奏効性および組織型などとの相関性を調べ、末梢循環miRNAの臨床的意義を探る。 次に、これらmiRNAの候補標的遺伝子をin silico解析により検索する。3’-UTRを含む候補標的遺伝子配列をルシフェラーゼコンストラクトに組み込み、卵巣明細胞癌細胞株を用いてmiRNA強制発現系でルシフェラーゼアッセイを行い、ルシフェラーゼ活性を調べる。また、変異を挿入した候補標的遺伝子配列を組み込んだルシフェラーゼコンストラクトを作製し、ネガティブコントロールとしてのルシフェラーゼアッセイを行う。そして、miRNA強制発現系における候補標的遺伝子のmRNAレベルの発現をrealtime RT-PCR法にて、タンパクレベルの発現をwestern blot法にて確認する。miRNAとその候補標的遺伝子の機能解析を行い、卵巣明細胞癌におけるmiRNAの発現の意義を検討することにより、テーラーメード医療等新規治療法の開発の端緒としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定より卵巣明細胞癌の症例数が少なく、検体採取数がやや遅れている。また、レーザースキャニングマイクロダイゼクション(LSM)法による癌細胞のみの選別とそこからのtotal RNA の抽出を行っているが、LSMを行うための事前準備や予備実験に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
卵巣明細胞癌の検体採取をもれなく効率よく行う。また、レーザースキャニングマイクロダイゼクション(LSM)法による癌細胞の選別とtotal RNA の抽出作業を滞りなく行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 予定より卵巣明細胞癌の症例数が少なく検体採取に遅れを生じ、核酸抽出等の試薬等の使用頻度が少なかったため、予定より物品費が少なかった。また、レーザー スキャニングマイクロダイゼクション(LSM)法による癌細胞のみの選別とそこからのtotal RNA の抽出作業にも遅れが生じたため、 消耗品等の費用が予定より少なくなった。 (使用計画) 次年度に遅れている作業を効率よく速やかに行うため、今年度の繰り越し額分も消費する予定である。
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