2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new treatments for chronic rhinosinusitis
Project/Area Number |
15K10777
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石田 晃弘 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (00361246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 祐輔 山形大学, 医学部, 助教 (50466629)
千葉 真人 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (80594324)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ペリオスチン / 慢性副鼻腔炎 / 鼻ポリープ / 好酸球性副鼻腔炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペリオスチンの発現量と線維化、およびアレルギー性/好酸球性炎症との関連を検討するために、抗POSTN抗体を用いて好酸球性副鼻腔炎患者と非好酸球性副鼻腔炎患者における鼻ポリープ組織に対し免疫組織化学染色を施行した。陽性コントロールとして子宮頸がん組織を用いた。好酸球性症例、非好酸球性症例ともに、繊毛上皮下の間質中にびまん性ペリオスチンのに発現を認めるものが多く、また一部の症例では血管内皮にも発現を認めた。好酸球浸潤の程度とペリオスチンの発現の程度に明らかな差異は認めなかった。線維化組織とペリオスチン発現との関連は明らかではなかった。抗POSTN抗体はATRAS社製とAviva社製のものを用いたが、発現部位はおおむね一致しており、免疫組織化学染色の再現性を確認した。陽性対照として用いた子宮頸がん組織では扁平上皮内に淡い発現と、基底細胞層に強い発現を認めた。 また非アレルギー性炎症としての比較対照として、上鼓室腔における慢性炎症の持続や増悪が発症の一因と考えられている中耳真珠腫に着目し、鼻ポリープ組織と同様に抗POSTN抗体を用いて免疫組織化学染色を施行した。ペリオスチンは特に高齢者の真珠腫において、主に上皮下の間質層内に強い発現を認めた。慢性炎症のマーカーとして、加齢や老化および紫外線刺激などの慢性炎症にて発現が増加する、D-アミノ酸の一種であるD-アスパラギン酸についても免疫組織化学染色を行い、その発現部位の際についても検討を行った。D-アスパラギン酸も高齢者真珠腫組織の間質層に強い発現を認め、ペリオスチンとともに炎症の病態形成に関与している可能性が考えられた。 今回の研究においては、ペリオスチンはアレルギー性/非アレルギー性によらず、おもに鼻ポリープ組織や真珠腫組織の上皮下間質層に発現を認めることが明らかとなった。
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