2016 Fiscal Year Research-status Report
鼻副鼻腔内反性乳頭腫の診断・再発・悪性化マーカーの探索
Project/Area Number |
15K10785
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
長谷川 昌宏 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10347156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真栄田 裕行 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264501)
山下 懐 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60569622)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 内反性乳頭腫 / 悪性化 / ヒト乳頭腫ウイルス感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
鼻副鼻腔内反性乳頭腫は良性腫瘍であるが,治療に関して臨床的に2つの問題点,1. 易再発性(手術切除による再発率:12%),2.悪性病変の合併(同時性,異時性:10%)を持っている。内視鏡下切除が行なわれる場合が多いが,内視鏡下切除では一般に分割切除されるため,腫瘍播種,再発リスクが高まるとの報告も散見される。腫瘍の播種,再発リスク,悪性病変合併・転化を術前に予測することができれば,en bloc切除可能な手術アプローチを選択することができる。本研究は手術アプローチ決定に有用な易再発性,悪性病変合併・転化に関するマーカーを見いだすことを最終的な目標とする。今年度は扁平上皮癌抗原(SCCA)について引き続き症例を蓄積するとともに、過去の手術例のパラフィンブロックを取り出しここからゲノム抽出を行う手技を確立した。現在のところ、パラフィンブロックの状態にもよるが、PCRでゲノム解析ができるものは約60%である。インテグレーションの状態やin situ hybridization法を用いたHPV検出法も条件設定を行っている。また昨年度の研究で内反性乳頭腫がヒト乳頭腫ウイルス感染とは関係なくセルサイクルプロテインp16を発現していることが判明したが、この現象はこれまでの国内外の研究で全く不明なまま残されている。昨年度研究が進行したため、さらに研究を前進させるため、p16の発現について解析を実施している。細胞老化にともなうアポトーシスが関係している所見が得られたが、さらに検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまで蓄積したサンプルを解析することにより、比較的良好な結果が得られた。国際誌でも高い評価を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やし、ヒト乳頭腫ウイルスのインテグレーションが悪性化に関係していることを明らかにする。さらに内反性乳頭腫でのp16過剰発現メカニズムを明らかにすることにより悪性化につながるステップを検証してゆく。
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Causes of Carryover |
物品購入の加減で少額の執行残が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の消耗品購入に充てる予定。
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