2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒト鼻粘膜上皮におけるtricellular junctionの形態・機能解析
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15K10788
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
大國 毅 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40464490)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒト鼻粘膜上皮 / 自然免疫 / タイト結合 / tricellulin / LSR |
Outline of Annual Research Achievements |
1)正常ヒト鼻粘膜上皮細胞におけるtricellulinおよびLSRの発現・局在を確認した。 手術で得られたヒト鼻粘膜組織より分離・培養したhTERT導入ヒト鼻粘膜上皮細胞における3細胞間タイト結合tricellulin,LSRの発現・局在を確認した。FBS添加によりそれらの発現誘導がみられ、3細胞間だけでなく2細胞間にも発現がみられた。
2)正常ヒト鼻粘膜上皮細胞におけるtricellulinおよびLSRのバリア機能について解析した。tricellulinおよびLSR のsiRNAを用いて発現を低下させた結果、明らかなバリア機能の低下がみられた。さらに、LSRは細菌毒素Clostridium difficile transferase(CDT)のレセプターでもあることより,CDTを処置した結果、LSRの発現に変化がないにもかかわらず、バリア機能の低下がみられた。
3) 正常ヒト鼻粘膜上皮細胞におけるtricellulinおよびLSRの発現調節機構について解析した。ヒトのアレルギー性鼻炎および鼻茸において転写因子であるp63の発現亢進が知られている。p63が、3細胞間タイト結合分子tricellulinおよびLSRの発現調節に関与するかどうか調べるために、p63のTA型とデルタN型のsiRNAを用いて、p63の発現を低下させた結果、tricellulinおよびLSRの明らかな発現亢進がみられた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に実施する実験においては、ほぼ終了し有意義な結果を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策 ヒトのアレルギー性鼻炎および鼻茸で亢進のみられるヒストン脱アセチル化酵素に焦点を当て、その阻害剤によるtricellulinおよびLSRの発現・局在の変化を解析する。 3細胞間タイト結合分子tricellulinおよびLSR に直接および間接的に影響を与える分子を探索する。
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Causes of Carryover |
tricellular junctionを構成するタイト結合分子tricellulinやLSRの発現・局在調節に係る可能性のある転写因子(p56 familyなど)が不死化細胞の予備実験で複数候補に挙がっている。ヒト鼻粘膜上皮細胞においてこれらの因子がtricellular junctionの形態・機能に関与するか確認する追加実験が必要となり、予定していた学会発表を延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述の解析を行うための消耗品(抗体、蛋白およびRNA解析用試薬、形態観察用試薬、機能解析試薬など)に充てる。
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[Journal Article] Poly(I:C) induced microRNA-146a regulates epithelial barrier and secretion of proinflammatory cytokines in human nasal epithelial cells.2015
Author(s)
Miyata R, Kakuki T, Nomura K, Ohkuni T, Ogasawara N, Takano K, Konno T, Kohno T, Sawada N, Himi T, Kojima T.
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Journal Title
Eur J Pharmacol.
Volume: 761
Pages: 375 382
DOI
Peer Reviewed
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