2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel therapeutic strategies in head and neck squamous cell carcinoma based on microRNA-mediated cancer pathways
Project/Area Number |
15K10801
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 機能性RNA / マイクロRNA / 癌抑制型マイクロRNA / 癌促進型マイクロRNA / 頭頸部扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトゲノム解析研究の成果として、ヒト細胞中には極めて多くの蛋白に翻訳されないRNA分子が転写されている事が明らかとなった。最近の研究から、これらのRNA分子は、RNA分子のままで、生体内で様々な機能を有している事が明らかになりつつある。マイクロRNAは、機能性RNA分類される19~22塩基の低分子RNAである。このRNA分子は、最終的に1本鎖のRNA分子として機能し、機能性RNA(蛋白コード・非蛋白コード遺伝子)の翻訳阻害や直接分解によりその発現制御をしている。 頭頸部扁平上皮癌の臨床において、再発症例や遠隔転移を有する症例に対する治療は困難を極める。最近の分子標的治療薬も、これら症例については、効果は限定的であり、有効な新規治療法の開発が望まれている。本研究では、治療抵抗性を獲得した頭頸部扁平上皮癌、臨床検体より、RNAシークエンスを行い、全ゲノムを網羅した、「治療抵抗性頭頚部扁平上皮癌・機能性RNA発現プロファイル」を作成した。 本研究で得られたプロファイル中に、passenger strandである、miR-150-3pが存在している事に着目した。これまでの概念では、マイクロRNAの生合成において、pre-miRNAから2本鎖のmiRNA duplexが形成される。そして、guide strand がRISCタンパクに取り込まれ標的遺伝子の制御を行う。これに対して、反対鎖のpassenger strandは、分解され機能を有しないとされている。miR-150-3pの機能解析から、passenger strandが、癌抑制型マイクロRNAとして機能している事を見出した。更に、miR-150-3pは、細胞外マトリックス受容体であるITGA3を直接制御している事を見出した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] Passenger strand of miR-145-3p acts as a tumor-suppressor by targeting MYO1B in head and neck squamous cell carcinoma2018
Author(s)
Yamada Y, Koshizuka K, Hanazawa T, Kikkawa N, Okato A, Idichi T, Arai T, Sugawara S, Katada K, Okamoto Y, Seki N.
-
Journal Title
International Journal of Oncology
Volume: 52
Pages: 166-178
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-