2016 Fiscal Year Research-status Report
瘢痕声帯における筋線維芽細胞の解析とその活性調節による声帯瘢痕化抑制
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15K10813
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
熊井 良彦 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (00555774)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ピルフェニドン / 瘢痕声帯 / 抗線維化作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度来検討しているIn vitroのフェレット瘢痕声帯モデルを用いた、ピルフェニドンの瘢痕声帯に対する抗線維化作用について検討した結果、他の報告と同様にコラーゲンタイプIの産生は抑制するが、TGF-b1とα-SMAの発現を促進することが他の報告の結果と異なっていた。そのため前回の報告書に記載した通り、TGF-bのシグナル伝達系が関与しているか、またSmad系たんぱく質への影響について免疫組織学的に検討した。P-Smad2/3に対する抗体を用いて免疫染色を行うとピルフェニドン濃度を上昇させることで、濃度依存性にP-Smad2/3の核内移行が抑制されることが明らかになった。つまり瘢痕声帯に対しては、ピルフェニドンがP-Smad2/3の核内移行抑制に働くことでSamd系を抑制し、TGF-b1およびα-SMAの上昇を認めてもコラーゲンタイプIの産生は抑制される可能性が示唆された。同時に現在Western blottingを用いても上記の動態を確認しているところである。またピルフェニドンのヒアルロン酸(声帯振動に欠かせない物質)産生能を検証するためヒアルロン酸誘導たんぱくであるHAS-2への影響およびコラーゲン産生抑制に働くMMP-1たんぱく産生への影響についてもreal-time PCRを用いて検証中である。いずれのたんぱくもピルフェニドンの抗線維化抑制および粘弾性増強に働く可能性が示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在上記の結果をまとめて論文を執筆し投稿の準備を進めている。また昨年米国喉頭科学会でもポスター演題として発表した。同時にVitroの実験系で用いているフェレット動物モデルのIn vivoの瘢痕声帯モデルを作製し、他の動物での報告結果との比較と、また将来的に臨床応用するうえで声帯注入可能かどうか、動物モデルとしての妥当性を検証している。と同時に、静岡県立大学薬学部との共同研究を立ち上げ、Drug Delivery Systemのノウハウを活用し、より効果的に本薬剤の瘢痕声帯への治療効果を発揮できる工夫を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本薬剤の瘢痕声帯に対する臨床応用を目指して、現在そのモデルとしての妥当性を検証しているフェレット瘢痕声帯動物モデルを活用し、静岡県立大学薬学部との共同研究を立ち上げ、Drug Dilivery Systemのノウハウを用いて、より効果的に本薬剤の瘢痕声帯への治療効果を発揮できる注入治療の開発に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
診療が忙しく、研究時間に確保できなかったため、計画より遅れており、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品としてキムワイプを購入するのに充てる予定
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