2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the mechanism of fibrosis in IgG4-related disease
Project/Area Number |
15K10818
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高野 賢一 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (70404689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 弘 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80517904) [Withdrawn]
角木 拓也 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70706548) [Withdrawn]
金子 躍人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90738874) [Withdrawn]
矢島 諒人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90722455)
垣内 晃人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60722436)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / IgG4関連涙腺・唾液腺炎 / 唾液腺 / 線維化 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4-RDの培養線維芽細胞をDNA arrayにより遺伝子の網羅的発現解析を行ったところ、 IL-6、IL-18、TSLP、MMP1でコントロール群に比して有意に発現の増加が認められた。これらについて免疫組織学的検討を行ったところ、いずれもIgG4-RD群の線維芽細胞に陽性像が認められた。特に、IgG4-RDの血清においては上昇しないとされているIL-6が、線維化組織において強陽性であった。 IgG4-RDの線維芽細胞のIL-6の産生能に関して培養液を用いてELISA測定したところ、コントロール群に比して著しく亢進していた。さらにIgG4-RDに関与が知られている炎症性サイトカインIL-1β, TNFα, TGF-βを培養線維芽細胞に処置したところ、いずれにおいてもIL-6の産生の亢進が認められた。 IgG4-RDの線維芽細胞の増殖の変化を検討するために、ヒト肺線維芽細胞の増殖においてIL-6とともに重要な役割を担っているWnt1-inducible signaling protein 1 (WISP1)の発現をみた結果、IgG4-RDの培養線維芽細胞においてもコントロール群に比して発現の増加がみられた。そして、IL-6およびWISP1を培養線維芽細胞にそれぞれ処置し細胞周期を観察した結果、IgG4-RD群、コントロール群いずれにおいてもG2/M期の増加が認められた。 以上の結果からIgG4-RDにおける高度の線維化は、炎症性サイトカインにより誘導された線維芽細胞産生のIL-6/WISPを介した線維芽細胞の増殖によるものと考えられた。これらのことは、IL-6/WISP1がIgG4-RDにおける新たな治療薬の開発のターゲットとなる可能性を示唆している。
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