2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of progression of diabetic retinopathy focusing inflammatory mechanisms by dendritic cells in vitreous
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15K10832
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山下 英俊 山形大学, 医学部, 教授 (90158163)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病黄斑浮腫 / 血管内皮増殖因子 / 炎症 / 眼局所薬物治療 / ステロイド薬 / 抗VEGF 薬 / 長期治療成績 / 包括的治療プロトコール |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病黄斑浮腫(DME)の薬物治療の現在の国際的な第一選択は抗血管内皮増殖因子(VEGF)治療である。しかし、抗VEGF 治療単独で視力改善保持を長期にわたって維持できるDME は少ない。海外の大規模研究の結果に迎合することなく、本邦の臨床現場で現在使われているDME 治療法としては、網膜光凝固、眼局所薬物治療( ステロイド薬、抗VEGF 薬)、硝子体手術があるが、複数の治療の併用や組み合わせによって、より低侵襲で、患者さんの負担を減らしてかつ治療効果をあげるプロトコールの確立を目指すべきであると考えられる。我々は過去に眼局所ステロイド薬治療としてジフルプレドナート点眼によってDMEの改善を得たことを報告した。ジフルプレドナート点眼は米国で術後抗炎症薬として認可されている新しいステロイド点眼薬で、3ヶ月間点眼で使用する。当科での過去の臨床研究では、短期的にはケナコルトテノン嚢下注射とほぼ同等の効果を、長期的にも12ヶ月以上点眼の反復投与で治療可能だった症例が50 %あった。また、ジフルプレドナート点眼で眼圧上昇などにより使用できなかった場合に、抗VEGF 薬にコンバートしても効果が確保できた。本発表では、ジフルプレドナート点眼をDME 治療戦略のなかでどのように位置づけるかについて、これまでの我々の臨床研究から得た知見をもとにしてDME 治療の包括的治療プロトコールを策定し検討した。
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