2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K10842
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
直井 信久 宮崎大学, 医学部, 教授 (50211412)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中馬 秀樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20244204)
杉本 貴子 宮崎大学, 医学部, 助教 (40381074)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 網膜変性症 / 黄斑変性症 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度初頭において、宮崎大学病院を受診した患者の中で、黄斑部の変性症とともに周辺部網膜まで変性を起こしてくる患者が存在することが見いだされた。詳しい家系調査でその患者のすべてが、宮崎県の山間部のある特定の地域にルーツを持つ患者であることが判明した。そのため9月に現地調査を行ったところ、多数の患者を有する家系の存在が明らかとなった。倫理委稲会の承認のもとに血液を採取し、患者DNAを採取し、2つの候補遺伝子の解析を行ったが、今のところ有意の変異は確認されていない。したがって現在のところ新しい疾患概念である可能性を考えている。 本疾患の臨床的意義は、病変が進行すると、加齢黄斑変性に類似の黄斑部新生血管を発症し、いわゆる滲出性加齢黄斑変性と類似しているためにその鑑別が困難であり、一般の加齢黄斑変性に本変性症が紛れている可能性があることである。 今後はさらに候補遺伝子の範囲を広げるとともに、家系の中で患者および非発症者の協力者をつのり、新規の遺伝子変異の可能性を考え、エクソーム解析を行っていく予定である。またこの変性は遅発発症であるため、眼底を精査して正常であることを確認する必要がある。当該地域には眼科診療施設がないため、現地調査を再度計画している。遺伝子解析の結果が出た時点で、再度健常者も含め遺伝子型を確認し、本網膜変性症の本態を確認すると同時に、遺伝子機能についても実験を行って論文を仕上げる計画である。 (なお本変性症についてはまだ詳細は公表していないために、これ以上詳細に記載することはできないが、一般の色素変性症とは明らかに異なっている遅発性の変性症である。)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度初頭において、宮崎大学病院を受診した患者の中で、黄斑部の変性症とともに周辺部網膜まで変性を起こしてくる患者が存在することが見いだされた。詳しい家系調査でその患者のすべてが、宮崎県の山間部のある特定の地域にルーツを持つ患者であることが判明した。そのため9月に現地調査を行ったところ、多数の患者を有する家系の存在が明らかとなった。倫理委稲会の承認のもとに血液を採取し、患者DNAを採取し、2つの候補遺伝子の解析を行ったが、今のところ有意の変異は確認されていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回発見された網膜変性につき、倫理委稲会の承認のもとに血液を採取し、患者DNAを採取し、2つの候補遺伝子の解析を行ったが、今のところ有意の変異は確認されていない。今後はさらに候補遺伝子の範囲を広げるとともに、家系の中で患者および非発症者の協力者をつのり、エキソーム解析を行っていく予定である。またこの変性は遅発発症であるため、眼底を精査して正常であることを確認する必要がある。当該地域には眼科診療施設がないため、現地調査を再度計画している。遺伝子解析の結果が出た時点で、再度健常者も含め遺伝子型を確認し、本網膜変性症の本態を確認すると同時に、遺伝子機能についても実験を行って論文を仕上げる計画である。また本変性では黄斑部網膜下新生血管を発症して加齢黄斑変性類似の病巣をとることがあるが、一般の加齢黄斑変性の患者でも本症に類似の遺伝的な要因が働いている可能性も調査するつもりである。 なお本変性症についてはまだ詳細は公表していないために、これ以上詳細に記載することはできないが、一般の色素変性症とは明らかに異なっている遅発性の変性症である。
|
Causes of Carryover |
今回宮崎県山間部にルーツをもつと考えられる新規の網膜変性症を見いだし、その解析、特に家系調査等に時間をとられたために、金額的に費用を要する遺伝子解析などが次年度に回されることになり、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今回発見された網膜変性につき、2つの候補遺伝子の解析を行ったが、今のところ有意の変異は確認されていない。今後はさらに候補遺伝子の範囲を広げるとともに、家系の中で患者および非発症者の協力者をつのり、エキソーム解析を行っていく予定である。またこの変性は遅発発症であるため、眼底を精査して正常であることを確認する必要がある。当該地域には眼科診療施設がないため、現地調査を再度計画している。遺伝子解析の結果が出た時点で、再度健常者も含め遺伝子型を確認し、本網膜変性症の本態を確認すると同時に、遺伝子機能についても実験を行って論文を仕上げる計画である。また本変性では黄斑部網膜下新生血管を発症して加齢黄斑変性類似の病巣をとることがあるが、一般の加齢黄斑変性の患者でも本症に類似の遺伝的な要因が働いている可能性も調査するつもりである。
|
Research Products
(14 results)