2015 Fiscal Year Research-status Report
光感受性物質由来蛍光の可視化を応用した加齢黄斑変性の個別化医療の確立
Project/Area Number |
15K10850
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
飯田 知弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50241881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸子 一朗 東京女子医科大学, 医学部, 特任講師 (10443871)
古泉 英貴 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (20551500)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 滲出型加齢黄斑変性 / ベルテポルフィン / 蛍光撮影 / マウス / 脈絡膜新生血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
滲出型加齢黄斑変性(AMD)の治療に使用されている光線力学療法(PDT)の薬剤であるベルテポルフィン(ビスダイン;、ノバルティスファーマ社)溶液で、スペクトルアナライザによる分光測定を行い、吸収発光特性を調べた。そこから得られた結果から、励起フィルタとバリアフィルタの組み合わせを検討し、フィルタの作成を行った。このフィルタを市販の眼底カメラ(キャノン社CX-1)に搭載して、眼底自発蛍光撮影モードでラットの眼底を撮影した。 まず、正常眼でベルテポルフィン静脈注射前後に撮影を行い、静注後には網脈絡膜血管に存在するベルテポルフィン由来蛍光を可視化できることを確認した。ベルテポルフィン溶液の静脈内への投与量はヒトの滲出型AMD の治療に準じて、体重および体表面積より算出した。続いて、レーザー照射により実験的脈絡膜新生血管モデルマウスを作成し、正常眼での場合と同様にベルテポルフィン投与前後の眼底を撮影し、脈絡膜新生血管に集積したベルテポルフィンの蛍光を確認した。 正常眼においては撮影後に眼球摘出を行い、多数回の写真撮影後においても組織障害やアポトーシスなどの所見が見られないことを病理組織学的に確認した。 今回確認できた以上の結果は、静脈注射されたベルテポルフィンの動態を眼底からの蛍光として検出できることを示しており、眼内におけるベルテポルフィンの実際の薬物動態の解析ができる可能性、さらにはヒトにおいても安全にベルテポルフィンを可視化できる可能性を示している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベルテポルフィン溶液の吸収発光特性から作成したフィルタを用いることで、マウス眼においてベルテポルフィン蛍光の検出が可能であることが証明できた。CNVに集積したベルテポルフィンも可視化が可能であった。さらに、この動物実験で組織障害がないことを病理組織学的に確認できた。 以上の結果は、ヒトにおいても安全にベルテポルフィンを可視化できる可能性を示している。
|
Strategy for Future Research Activity |
動物実験で安全性と有用性が確認されたフィルターを装着した改良眼底カメラ装置を用いて、実際にPDT 治療を受ける滲出型AMD 患者においてベルテポルフィン投与前後の眼底撮影を行う予定である。東京女子医科大学倫理委員会承認のもと、当該患者への十分なインフォームドコンセントを得て、文書による同意取得の上、撮影を行う。
|
Causes of Carryover |
次年度に使用する目的のため、繰越しとしたもの。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究に関わる物品購入予定の為。
|
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] MMP20 and ARMS2/HTRA1 are Associated with Neovascular Lesion Size in Age-Related Macular Degeneration2015
Author(s)
Akagi-Kurashige Y, Yamashiro K, Gotoh N, Miyake M, Morooka S, Yoshikawa M, Nakata I, Kumagai K, Tsujikawa A, Yamada R, Matsuda F, Saito M, Iida T, Sugahara M, Kurimoto Y, Cheng CY, Khor CC, Wong TY, Yoshimura N; Nagahama Cohort Research Group
-
Journal Title
Ophthalmology
Volume: 122
Pages: 2295-2302.e2
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-