2017 Fiscal Year Annual Research Report
Temperature alteration in the anterior chamber and corneal endothelium injury during phacoemulsification
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15K10851
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
鈴木 久晴 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00366684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00188046)
五十嵐 勉 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10421190)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 白内障手術 / 超音波乳化吸引術 / 角膜内皮障害 / 前房温度 / 切開創温度 / 角膜内皮温度 / 粘弾性物質 / 眼内圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波乳化吸引術は白内障手術の中で最も広く行われている術式である。しかしながら、角膜内皮障害により術後に水疱性角膜症を引き起こすという大きな合併症は未だ大きな問題である。角膜内皮障害は超音波使用時に出現する様々な副次的要因による。温度上昇、核の物理的衝突、乱流、バブル、フリーラジカルなどが考えられる。私たちは超音波乳化吸引術において生ずる障害を与えうる様々な原因について、安全な白内障手術を施行することを目的とし、基礎的・臨床的評価した。 超音波乳化吸引術中の温度上昇における角膜内皮障害の評価として、豚眼を用いて、前房温度と角膜内皮温度を同時に測り変化を調べた。方法としては、各種OVDで前房内を全置換した豚眼に対し,超音波チップ約 1 mm の距離で超音波発振後 60 秒間前房温度を測定した。OVDはヒアルロン酸ナトリウム 1%製剤,ヒアルロン酸ナトリウム 2.3%製剤,ヒアルロン酸ナトリウム+3 %コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 4%製剤,ヒアルロン酸ナトリウム+1.65%コンドロイチン硫酸エス テルナトリウム 4%製剤を使用した。超音波装置は Stellaris(Bausch & Lomb 社)を使用し,超音波パワー100%,吸引流量 18 ml/min,吸引圧50mmHg,ボトル高50cmで統一した。結果として、すべての群において超音波発振後,前房温度は有意に上昇した。ヒアルロン酸ナトリウム 2.3%製剤は,ほかの OVD に比べ有意に前房温度は上昇した。ヒアルロン酸ナトリウム 1%製剤は一度前房温度の上昇を認めたあと,経時的に前房温度の低下を認めた。 超音波白内障手術において前房温度の上昇を防ぐために,ある程度のOVDを吸引除去し,作業空間を確保してから超音波発振をすることが重要である。
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