2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms underlying phosphorylation of alpha-crystallin in diabetic retinopathy
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15K10856
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加瀬 諭 北海道大学, 大学病院, 講師 (60374394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 敦宏 北海道大学, 医学研究院, 特任講師 (80342707)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 / αBークリスタリン / VEGF / 病理組織学 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで、small heat shock proteinの1つであるαB-クリスタリンが、増殖糖尿病網膜症の線維血管増殖膜の微小血管に発現していることを見いだし、さらにそのセリン59リン酸化がVEGFの分子シャペロンと関連することを報告してきた。本年度では、糖尿病モデルマウスを用いて、αB-クリスタリンとVEGFの発現解析を行ってきた。ストレプトゾトシン(STZ)の腹腔内投与を行い、STZ誘導糖尿病網膜症マウスモデルを作製した。STZ誘導8週間にかけて、血糖値の上昇と体重の増加がみられた。STZ誘導12週では、むしろ血糖および体重の下降傾向がみられた。STZ誘導8週において眼球を摘出し、αB-クリスタリンとVEGFの免疫組織化学を施行したが、網膜、網膜色素上皮、脈絡膜にαB-クリスタリンの発現はみられなかった。VEGFは網膜内層と網膜色素上皮に陽性反応がみられた。STZ誘導4、8週で網膜色素上皮・脈絡膜複合組織の蛋白を抽出し、ELISA法にてVEGFタンパク濃度を測定したところ、STZ誘導4週よりも8週でむしろVEGF濃度が有意に低値を示した(P<0.05)。我々はさらに当教室で使用可能な光干渉断層計を用いて、網膜色素上皮・脈絡膜厚を計測したところ、STX誘導8週をピークに有意に肥厚することを見いだした(P<0.05)。STZ8週の網膜色素上皮・脈絡膜のメラニン消化標本を用いてヘマトキシリン・エオジン染色を行うと、STZ誘導マウスでは網膜色素上皮に有意な形態学的変化は無いが、脈絡膜には微小血管の管腔構造の増加と間質成分の肥大がみられることが判明した。以上より、STZ誘導糖尿病網膜症モデルでは、脈絡膜にも形態学的変化が起こることが判明した。 αB-クリスタリンのELISA法については現在、確認中である。
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