2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the molecular mechanism of the role of succinate in intraocular proliferative diseases
Project/Area Number |
15K10871
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
北岡 隆 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80234235)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
築城 英子 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30363493)
木下 博文 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (50530466)
松本 牧子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (70437903)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | コハク酸 / 血管内皮増殖因子 / 網膜 / 毛様体 / 血管新生 / 細胞生存シグナル / 細胞死シグナル / 網膜血流 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮増殖因子(VEGF)を標的とした抗VEGF療法が、眼内血管新生に対し臨床応用されているが、効果不十分な症例も多く、いまだ確立された治療とはいいがたい。 2008年に網膜血管新生へのコハク酸の関与を示唆する論文が報告され、それを受け、我々は増殖糖尿病網膜症の硝子体中でコハク酸濃度が増加していることや、さらにCa依存性に細胞内コハク酸濃度が増加していることを報告した。そこで本研究では、虚血や高血圧環境での眼内構成組織における、より詳細な血管新生のメカニズムの解明ならびに今後の治療への発展を目標とした。 高血圧による血管進展が虚血を悪化させる方向に働くことが考えられ、網膜血管内皮、周皮細胞の低酸素・伸展刺激における細胞内外のVEGF、コハク酸の動態を確認した。また一方で眼内の血管病変においては網膜・脈絡膜の血流動態をLaser speckle flowgraphyで測定することができ、VEGFやコハク酸を測定し、血流動態との関係を調べた。 手術時に採取した硝子体、前房水、血液中のコハク酸濃度は、増殖糖尿病網膜症では、対照より有意に高く、また硝子体>前房水>血液となっており、血液中からの流入は否定的であった。高血圧を模した血管内皮進展では、虚血時と同様に伸展刺激時においても、細胞内さらには硝子体中のコハク酸濃度は増加し、VEGFとも共同して眼内環境の悪化を引き起こしていると考えられた。一方、網膜の血流であるが、Laser speckle flowgraphyで測定すると、網膜光凝固を行うことでVEGFを減少させると、有意に眼底血流が減少し、網膜新生血管の活動性も改善するという結果だった。その血流減少量を測定することによって、効果的な網膜光凝固を定量化できる可能性が示唆された。今後コハク酸の眼底血流への関与を検討する必要がある。
|
Research Products
(2 results)