2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒト極性網膜色素上皮細胞を使った網脈絡膜疾患の病態制御に関する研究
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15K10873
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
園田 祥三 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 講師 (20325806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 寛樹 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20611817)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 網膜光干渉断層計 / イメージング / 2階調化 / 脈絡膜 / 網膜色素上皮細胞 / 極性細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床研究として、我々が開発した2階調化による脈絡膜の管腔成分と間質成分とを分けて解析する手法を用いて、脈絡膜の構造解析を進めた。正常人における脈絡膜構造の変化(管腔成分、間質成分とも加齢や眼軸伸長にともなって減少すること)や、脈絡膜厚の日内変動が主に管腔成分の変化に起因するものであることなどを解明した。また中心性漿液性脈絡網膜症、原田病、網膜色素変性や糖尿病などの様々な疾患における、脈絡膜の構造変化を解析することで、脈絡膜からみた網脈絡膜疾患の病態を考える基礎的なデータを収集することが出来た。また、同時に2階調化の手法は再現性が高い方法であるが、これまではフリーソフト ImageJを使用しており、データの保存や結果の再検証などで問題があったため、独自で2階調化解析のソフトの開発もおこなった。また脈絡膜の血管層は、網膜色素上皮細胞側から、脈絡膜毛細管板、satller's layer、Haller's layerの3層からなる。独自のソフトでは、血管の3層を自動で分離可能な機能も付加されており、現在再現性を含めた、検証作業を行っている。 また、基礎研究として、極性網膜色素上皮細胞を使った研究では、現在臨床で用いられる、血管内皮増殖因子抗体の網膜色素上皮における透過性を検証し、アフリベルセプトが最も透過性が高く、また脈絡膜側の血管内皮増殖因子の抑制効果を強くみとめるとい結果を見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であった、極性をもつ網膜色素上皮細胞を用いて、薬剤透過性モデルの確立に成功して、薬剤の生体における動態を類推することを可能とした点。 また2階調化による脈絡膜の構造解析について、多くの結果を得ることができ、論文発表を行う事ができた。独自の2階調化解析ソフトも完成し、解析の効率が飛躍的に向上したことで今後のさらなる進展が期待できる点。
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Strategy for Future Research Activity |
独自で解析した脈絡膜構造解析自動化ソフトをもちいて、より多くの疾患についての解析を進める。また脈絡膜は、毛細血管板、sattler's layer, Haller's layerにわかれるが、従来の2階調化に加えて、これら層別化も加えた多元的な脈絡膜の構造解析を進める予定である。 またヒト極性網膜色素上皮細胞のDNAマイクロアレイ等による解析について、未着手であるため、本年度にこれに取り組む予定である。
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Research Products
(11 results)