2016 Fiscal Year Research-status Report
神経麻痺性角膜症に対する TRP チャネルを標的とした新規治療法の開発
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15K10878
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 三叉神経 / TRPチャネル / 神経麻痺生角膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
定位脳手術の手法で頭蓋外から20Gのジアテルミー電極を挿入し、三叉神経第1枝を凝固する。三叉神経凝固し、三叉神経障害マウスモデルを作成した。このモデルマウスは、角膜知覚は低下するものの角膜の透明性や形態は維持している。このマウスの角膜のホールマウントでニューロンを標識するマーカーであるneuron specific Class III β-tubulin (TUJ1)の免疫染色を行なった。正常角膜に比べ三叉神経障害角膜ではTUJ1陽性神経が減少し、角膜周辺部に認められるのみであった。このモデルマウスの頭蓋骨を切除、大脳を摘出し、三叉神経を観察後、三叉神経を摘出し、ヘマトキシリン•エオジン染色ならびにクリューバー・バレラ染色での神経障害の程度を確認した結果、障害部では神経細胞が線維化していた。 この三叉神経障害角膜及び正常角膜に直径2mmの角膜上皮欠損を作成し、欠損部の閉鎖速度を比較した結果、三叉神経障害角膜で角膜上皮欠損の閉鎖が遅延することを確認した。 上記三叉神経障害マウスの角膜の同様の上皮欠損(2mm)作成し、その前後で角膜創傷治癒に関わるとされている神経ペプチド炎症性サイトカインのmRNAの発現をreal-time RT-PCR法を用いて検討した。正常角膜では、角膜上皮欠損作成後にTRPV4, TRPA1及びNGFの発現が上昇するが、三叉神経障害マウスの角膜ではこれらの発現上昇を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三叉神経障害マウスを安定して作成し、そのマウスを用いた研究を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
三叉神経障害マウスを用い、TRPチャネルを標的とした治療効果を確認していく。
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Causes of Carryover |
留学をしたため、日本に滞在している期間が短かったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に、AAV作成などで使用する見込みである。
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