2016 Fiscal Year Research-status Report
フックス角膜内皮ジストロフィにおけるTGC反復配列伸長の病態への意義の解明
Project/Area Number |
15K10885
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
奥村 直毅 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (10581499)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 角膜内皮 / フックス角膜内皮ジストロフィ / TCF4 |
Outline of Annual Research Achievements |
フックス角膜内皮ジストロフィ(FECD)においてTCF4遺伝子の第3イントロンにおいて50回以上のCTGの反復配列の伸長が認められることが報告され、我々を含む複数の研究グループが再現性を報告している。一方で反復配列の伸長がどのように病態に関与するのかということは明らかではない。2016年度は培養した角膜内皮細胞においてCRISPRを用いてTCF4をノックアウトした細胞株を作成して、解析を行った。特に、TCF4のノックアウトが上皮間葉系移行に関係する遺伝子、細胞外マトリックスの発現にどのような影響を与えるかについて、ウエスタンブロッティング、PCR法により検証した。2016年度の成果を踏まえて2017年度には解析を進め、TCF4の病態への関与に関するさらなる知見を得る。 さらに、TCF4のバリアントの発現パターンが角膜内皮において不明であったために、正常者およびFECD患者由来の角膜内皮におけるバリアントの発現パターンの解析を行った。また、引き続きErlangen大学(ドイツ)において角膜移植時に角膜内皮を採取しFECD患者角膜内皮由来のcDNAのライブラリーを作成した。同時にコントロールのライブラリーの作成を行った。現在、これらのライブラリーを用いた詳細な遺伝子の発現解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書にそって研究を進めており、申請時に計画した内容に沿って研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
FECD患者角膜内皮由来および正常の角膜内皮由来のcDNAのライブラリーの解析を進める。既に、FECDにおいて沈着の亢進が認められるフィブロネクチンや1型コラーゲンなどの細胞外マトリックスの産生に関与することが予測される複数の遺伝子がFECD患者由来角膜内皮において高発現することを確認しており、今年度はモデル細胞を用いてこれらの遺伝子が疾患に関わるメカニズムの解析を行う。 また、現在TCF4の遺伝子変異を有するモデルマウスの作成を進めている。今年度には作製したマウスのフェノタイプの解析を行う予定である。もし角膜内皮にFECD様のフェノタイプが得られた場合には、TCF4がFECDを引き起こすという決定的な証拠を得ることになると期待される。
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[Journal Article] Rho kinase inhibitor enables cell-based therapy for corneal endothelial dysfunction.2016
Author(s)
Okumura N, Sakamoto Y, Fujii K, Kitano J, Nakano S, Tsujimoto Y, Nakamura S, Ueno M, Hagiya M, Hamuro J, Matsuyama A, Suzuki S, Shiina T, Kinoshita S, Koizumi N
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 18;6
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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