2015 Fiscal Year Research-status Report
自己少量角膜輪部組織の幹細胞―ニッシェスフェロイド維持培養法の確立
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15K10907
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
比嘉 一成 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (60398782)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 幹細胞ニッシェ / 角膜輪部上皮 / スフェロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
角膜輪部には角膜上皮幹細胞が存在し、骨髄幹細胞のようにそのニッチの存在が考えられる。これまでに1角膜輪部組織から1ヶ月以上培養可能なニッチ様構造を維持したスフェロイドの作成が可能であることを報告してきた。今回は自己の限られた組織を想定し、少量組織から角膜輪部ニッチ培養法について検討した。自己の限られた組織を想定するため、角膜移植後の輸入角膜輪部組織から直径2.5mmの少量組織を採取し、collagenase処理を行った。処理後上皮とその直下周辺組織を回収し、マトリゲル中に播種した。培養は角膜輪部フェノタイプを維持するKGF+Y27632添加培地を用いて行った。スフェロイド中の未分化細胞を検出するため、最初3日間のみBrdUラベルを行った。培養1ヶ月後において少量組織から形成したスフェロイドは輪部の採取部位により形成数が異なっていた。形成したスフェロイドの凍結切片を作製し、組織学的解析を行ったところ、スフェロイド形成数の多い部位では未分化な細胞でみとめられるp63とslow cycling cellsで観察されるBrdU陽性細胞が多く存在し、一部N-cadherinの発現も観察した。スフェロイドのコロニー形成能および細胞周期の比較も行ったところ、スフェロイド形成数の多い部位では比較的大きなコロニーの形成ならびにG0/G1期の細胞も多く観察された。これまでの事から、少量角膜輪部組織からニッチ様構造を維持したスフェロイドの培養が可能であるが、輪部組織の部位によってその形成能力に違いがあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、計画した計画通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はスフェロイドの保存方法の確立、移植法の確立ならびにその経過観察を行う予定である。
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Causes of Carryover |
使用計画はほぼ予定通りであったが、一部製品の購入価格が易く購入出来た事等によって、122,079円分次年度使用学として生じた。会計的に本年度として計上されなかったが継続して購入している物もあり、次年度開始からスムーズに研究が出来る物と考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
継続して行っている物品費の購入を行って、実験をスムーズに行うものとする。また、一部は培養試薬として購入する予定である。
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Research Products
(3 results)