2017 Fiscal Year Research-status Report
視神経軸索障害における部位別能動的分子プログラム制御機構の解明
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15K10908
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
北岡 康史 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (10367352)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 緑内障 / 視神経 / オートファジー / 軸索変性 / タクロリムス / NFAT / TNF / Beclin1 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前短期高血糖状態がTNF誘発視神経障害モデルでオートファジーを介して軸索保護効果を示すことを報告したが、今年度はさらに進め、Beclin1がインスリン欠乏高血糖状態で視神経において有意に上昇することを見出した。それらは主にアストロサイトと共存していたが、高血糖状態ではneurofilamentとも共存していたことから、軸索内のBeclin1も軸索保護に寄与している可能性を考えた。 また、全く別の分子プログラムとしてcalcineurin-nuclear factor activated T cell(NFATc)系の分子経路に注目した。calcineurinは網膜及び視神経での発現はTNFモデルで変化を認めなかった。しかしその下流であるNFATc1はTNF硝子体注射後1週間で有意に視神経で発現が上昇した。calcineurin阻害剤であるタクロリムスによりNFATc1の上昇は有意に抑制された。さらにTNFによる軸索数の減少はタクロリムスにより容量依存性に保護された。 また、別のstudyとして、ROCK阻害剤の軸索への影響を検討した。ROCK阻害剤であるリパスジルによりTNF誘発視神経障害モデルにおいて軸索保護作用があることが分かった。その機序として、軸索内のオートファゴソームの増加や、LC3-IIの増加を示すことを見出した。LC3の免疫染色も行い、dot状のシグナルがneurofilament内に存在し、リパスジルで増強することを見出した。電子顕微鏡所見でオートファゴソームは軸索内グリア内で区別して定量を行う方法を確立した。さらにimmunogoldも施行し、オートファゴソームであることも確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ROCK阻害とオートファジーの関係を明らかにできた。今回p62も減少させたことからオートファジーフラックスも上昇させていることが分かった。これらの所見を論文化することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
抗加齢遺伝子サーチュイン遺伝子を活性化するコンパウンドであるSRT2104がTNF誘発視神経障害モデルで軸索保護を示したことを見出し、さらにLC3-IIの上昇とp62の減少も伴うことを見出している。今後は発表及び論文化に向けて細部の検証、完成度の向上を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
理由)研究を継続して行っているため、抗体や試薬を昨年度のストックから使用できた。
使用計画)4月には第122回日本眼科学会総会に2演題発表し、そのために追加実験を行った。さらに5月にはARVO annual meetingがひかえており、3演題発表予定であり、そのための準備に追加実験や発表に関する出費も予定している。
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Research Products
(4 results)